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一翼
「一翼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一翼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
常の活動がうまく出来ているのだから、その意味では彼女と雖《いえど》も仕事の重要な
一翼をもっていることになる。私はそのことを笠原に話し、彼女がその自覚をハッキリと....
「東京八景」より 著者:太宰治
かった。世人の最も恐怖していたあの日蔭の仕事に、平気で手助けしていた。その仕事の
一翼と自称する大袈裟な身振りの文学には、軽蔑を以て接していた。私は、その一期間、....
「作家のみた科学者の文学的活動」より 著者:宮本百合子
には、一般的に人間の知性の否定、或は一方的な抑圧を意味するのである。文化の相関的
一翼として文学においてもこの現象は今日あきらかに現れている。それは後にふれること....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
フ》さえ時事問題をあつかわざるを得ない情勢におされ、広汎な反ファシズム文化運動の
一翼につらなったのであった。が、アンリ・バルビュス、ルイ・アラゴン、トリスタン・....
「国際無産婦人デーに際して」より 著者:宮本百合子
員会が、プロレタリア文学における婦人の広汎な積極的な活動は真に階級的な文化闘争の
一翼として、どれほど重大な意味をもつものであるか、各支部はこの分野の活動を直ちに....
「質問へのお答え」より 著者:宮本百合子
もっている条件――才能と環境――だけに頼らず、科学技術者として勤労人民の全戦列の
一翼にむすびついて前進しなければならないという時代に入っています。 日本に資本....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
ムが遠く明治維新に由来を持っているという事実を物語っている処の日本型ファッショの
一翼を意味する処の存在である。そしてこの点、軍部(之又特別の来歴と特別な権力根拠....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
飛々に現れて、のッそり悠々として通っていたのであるが、今|件の大鷲が、風を起して
一翼に谷を越え、その峰ある処、件の森の中へあからさまに入ったと思うと、牛は宙に躍....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
日本帝国から締め出そうという「日本」の要求に応じる処の、最も文化的な相貌を具えた
一翼であることが、以上のことから推定される。公式を恐れることは決して酔狂からでは....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
別れの言葉をかけ、自分の寝室にとじこもった。ジャン・ヴァルジャンはうまそうに鶏の
一翼を食べ、テーブルの上に肱をつき、しだいに心が平静になって、再び身の安全を信ず....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
していたこともある。このダンサー時代に秦啓源は彼女を見出し、大西路の自分の住宅の
一翼に住ませた。彼女に身寄りの者はなく、楊さんだけがなにかの縁故者だという。彼女....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
乱すだろう。久子ばかりでない……。 私は今、空襲のために罹災して、大きな家屋の
一翼に住んでいる。母屋の方には二家族がいる。その一つの西岡が、家の所有者の親戚で....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
は、皆その後《ご》数年の間に立派に育て上げられて、後年の先生の華々しい研究生活の
一翼をそれぞれなすようになった。一年間の研究実験を終え、その後引続いて理化学研究....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
義の跳梁に伴い、それと結合することによって急に勢を得、思想界における反動的勢力の
一翼としてその暴威を振うようになった。上に権力者の恣な主張といい、虚偽迷妄な説と....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
が三万五千の寡兵をもって六万四千の墺軍を撃破せる大王会戦中の傑作であって、兵力を
一翼に集結し一挙に決戦を強要せる好範例である。 二、リーニー会戦 一八一五年六....