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一芸
「一芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
でになる上《うえ》つ方《がた》の御顔ぶれで、今はいかに時めいている大臣大将でも、
一芸一能にすぐれていらっしゃらない方は、滅多《めった》に若殿様の御眼にはかかれま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
る気勢。飜然路地へお蔦が遁込むと、まだその煙は消えないので、雑水を撒きかけてこの
一芸に見惚れたお源が、さしったりと、手でしゃくって、ざぶりと掛けると、おかしな皮....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、僕は飲みながら、先輩の某氏に当てて、金の工面を頼む手紙を書いた。その手紙には、
一芸者があって、年は二十七――顔立ちは良くないし、三味線もうまくないが、踊りが得....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
なお辞儀だ。お辞儀のリズムにつれて長髪が颯と額にかかるのを氏は一々|掻き上げる。
一芸に達した男同志――それにいくらか気持のふくみもあるような――初対面を私は名優....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
間違いの基でした。役附を願うには何かの芸を申立てなければならないが、その申立ての
一芸が駄法螺を吹くと云うのでは、あまりに人を馬鹿にしている、怪しからん奴だと組頭....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
村荘六その人だったのである。 おお、あの有名な名探偵、帆村荘六。 彼はなぜか
一芸人として、このミマツ曲馬団に加わっていたが、雷洋丸上にしきりに起る怪事件にだ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
せた若いものでないと、この口上は――しかも会費こそは安いが、いずれも一家をなし、
一芸に、携わる連中に――面と向っては言いかねる、こんな時に持出す親はなし、やけに....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
。結局みなのいうとおり、敬語を使わないでいう。それはそうしないとぐあいが悪い。第
一芸者自身が、きまり悪がる。そういうとおちつかない。かえって呼び捨てにしてもらう....
「芸術上の心得」より 著者:倉田百三
一、堅く堅く志を立てること。 およそ
一芸に秀で一能に達するには、何事によらず容易なことではできない。それこそ薪に臥し....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
走らせた。人馬諸共一瞬の後には木陰へ隠れて見えなくなった。 戦国時代の武将達は
一芸に秀でた武士と見ると善悪を問わず抱えたものである。で、郷介は何の苦もなく須々....
「光は影を」より 著者:岸田国士
はまず穏便にかたがついたと言つてよかつた。新聞も、折よく、政治季節の波にもまれ、
一芸妓の厭世自殺を、半ば黙殺したかたちであつた。父の軽い反対を押しきつて、遺骨は....
「画道と女性」より 著者:上村松園
すると家庭の事情や何かで、どうしても初志を立て通すことが難しくなり易いようです。
一芸を立て通すとなれば男性の方でもそうに違いないが、殊に女性だとより以上に意志が....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
出て来たという、滑稽な昔話がある―― 人待石に憩んだ時、道中の慰みに、おのおの
一芸を仕ろうと申合す。と、鮹が真前にちょろちょろと松の木の天辺へ這って、脚をぶら....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
れなり。 大西洋渡航の節、船中にて一夕、音曲会を催せしことあり。当夕は船客中に
一芸を有するものを選び、唱歌に巧みなるものは唱歌し、奏楽に長ずるものは奏楽し、あ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
である」。これが茶道の元祖といわれる千利休の茶に対する態度でありました。さすがに
一芸に達するほどの人の見解であります。そして利休は、これを口に唱えるばかりではな....