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一蹴
「一蹴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一蹴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
る。――猛然として、追いすがろうとする猪熊《いのくま》の爺《おじ》を、太郎が再び
一蹴《いっしゅう》して、灰の中に倒した時には、彼女はすでに息を切らせて、枇杷《び....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
に来た朝日は、――朝日などはもう吸わずとも好《い》い。忌《いま》いましい物売りを
一蹴《いっしゅう》したのはハヴァナを吸ったのよりも愉快である。彼はズボンのポケッ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
すとも殺さぬとも返事をしない。――と思うか思わない内に、妻は竹の落葉の上へ、ただ
一蹴りに蹴倒《けたお》された、(再《ふたた》び迸るごとき嘲笑)盗人は静かに両腕を....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
っているのです。というのは、前回においては、私は氷河期が来るという北見博士の説を
一蹴しましたが、最近になって、少し気になることを発見して、迷っています」 「ほう....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
法第一条ニ該当セザルモノト認ム』 審査官は、千手観音を持ち出して、この出願を
一蹴したのであった。 (千手観音を担ぎだすなんて、こいつは、いよいよ以て非常識....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
教理を承認するように無理に説得しようと試みた。しかし彼はこの申し出を軽侮とともに
一蹴したので、彼らはついに刺客の手で片付けようとさえした。そうして彼をユダヤ教徒....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
いのであるから、まことに根拠は薄弱で、断罪の日には「証拠不十分」として裁判官から
一蹴されるべき性質のものだった。 この個條書を、くりかえし眺めていた彼は突然、....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
も引金を引きさえすれば、弾丸は銃口から真直に飛びだすんだから……」と、検事は軽く
一蹴して置いて、 「もう一つ伺うが、あなたの部屋を入ったすぐ右手の茶箪笥の上に花....
「地球要塞」より 著者:海野十三
る。X大使にねだるべきことを、私に訴えているのだ。 もちろん私は、提督の願いを
一蹴した。すると提督は、私の真意を勘ちがいして、更に歎願するのであった。 その....
「火薬船」より 著者:海野十三
は、それこそ猛虎が月にほえるような大きなこえを出して、ノルマンの無礼極まる命令を
一蹴した。 奇妙な相談 竹見は、虎船長とノルマンとの間にはさまって、まっ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
た。それではせめて、クルーゲルの沙翁舞台とも――と嘆願したのであったが、それさえ
一蹴されて、ついにその劇場は、バイロイト歌劇座そっくりな姿を現わすに至った。 ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
で、特に面白いやつを話して聞かせろとねだったのであるが、帆村はあっさり僕の要求を
一蹴した。 「諜報事件に面白いのがあるがね、しかし僕がどんな風にしてそれを曝いた....
「瘤」より 著者:犬田卯
ているかしないものは無かったのだ。弱点云々といえば、一見、瘤に対抗して、優に彼を
一蹴し得るだろうような村内のいわゆる長老有志たち――主として地主連にしてもやはり....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
参議と進退を侶にし、今の次官よりも重く見られた文部|権大書記官の栄位を弊履の如く
一蹴して野に下り、矢野文雄や小野梓と並んで改進党の三|領袖として声望隆々とした頃....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
れ、また剣で講られる必要があっても、内部に何の反撥する力というものが存在しない。
一蹴すれば、蟻の塔のようにもろく壊れてしまう暗い運命の影を負っている如くも認める....