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一部分
「一部分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一部分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海《シャンハイ》特有の旅館の二階が、
一部分はっきり映《うつ》っている。まずつきあたりに空色の壁、それから真新しい何畳....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
》は蛇や蛙とでも、思って思えない事はないのです。それも顔と云うよりは、むしろその
一部分で、殊に眼から鼻のあたりが、まるで新蔵の肩越しにそっとコップの中を覗いたか....
「或る女」より 著者:有島武郎
ない相談をしたくらいは葉子はとうに感づいていた。自分の財産となればなるべきものを
一部分だけあてがわれて、黙って引っ込んでいる葉子ではなかった。それかといって長女....
「或る女」より 著者:有島武郎
わずかばかりな荷物を持って人力車で加治木病院に送られた。後ろの車には愛子が荷物の
一部分を持って乗っていた。須田町《すだちょう》に出た時、愛子の車は日本橋の通りを....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
やがて何所《どこ》からともなく雪が降るようになった。仁右衛門の畑はそうなるまでに
一部分しか耡起《すきおこ》されなかったけれども、それでも秋播《あきまき》小麦を播....
「片信」より 著者:有島武郎
片山伸氏とのがある。また三上於菟吉《みかみおときち》氏も書いておられたが僕はその
一部分より読まなかった。平林初之輔氏も簡単ながら感想を発表した。そのほか西宮藤朝....
「想片」より 著者:有島武郎
いてその生長にかかわるすべての物質は、種子にとって異邦物ではなく、種子そのものの
一部分となってくるのと同様であろう。人は大地を踏むことにおいて生命に触れているの....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
検査のために非常な危惧《きぐ》を感じている。またすべての青年の権利たる教育がその
一部分――富有《ふゆう》なる父兄をもった
一部分だけの特権となり、さらにそれが無法....
「弓町より」より 著者:石川啄木
かった。それらの人々に同情するということは、畢竟《ひっきょう》私自身の自己革命の
一部分であったにすぎない。もちろん自分がそういう詩を作ろうという気持になったこと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を把握しがたい為めに、模索の結果として誤ってその一部を彼等の規準とするに過ぎぬ。
一部分であるが故に、それは外界の事情によっては修正の必要を生ずるだろうけれども、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たちと利害を同じうしていた主権者から最も苛酷な追究を受けた。この忌まわしい風習が
一部分古典時代の民族に移り伝わり、そうして中世の半野蛮人において最も強く現われた....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
る知識は極めて狭く、専門的にやや研究したのは、フランス革命を中心とする西洋戦史の
一部分に過ぎない(一四四頁)。これが最終戦争論を西洋戦史によった第一の原因である....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ーゼスの述べた所によりても明白である通り、『霊訓』中に収められてあるのは、原本の
一部分に過ぎない。近年『霊訓』続篇が出版されたが、これも一小部分である。原本の大....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
また政府に近づきて利したること尠なからず。その一例を申せば、幕府にて下ノ関償金の
一部分を払うに際し、かねて貯うるところの文銭(一文銅銭)二十何万円を売り金に換え....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は、いわゆる「総動員計画」なるものが企画せられつつあったが、内容は戦争計画の真の
一部分に過ぎず、しかもその計画は第一次欧州大戦の経験による欧州諸国の方針の鵜呑み....