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一関
「一関〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一関の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
次郎兵衛はいろいろと研究したあげく、こぶしの中に親指をかくしてほかの四本の指の第
一関節の背をきっちりすきまなく並べてみた。ひどく頑丈そうなこぶしができあがった。....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
、帽子の向きを直し、近付く前に自分の知っている顔であるかどうかを確かめる。この第
一関門がパッスすると、今度は門衛の御検閲だ。然しそこはビラを持って入るものがこれ....
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
。ミットなどは到底手に入らなかった。この思い出を書いている老書生の左手の薬指の第
一関節が二十度ほど横に曲がってしまったのはその時代の記念である。先日彼がその話を....
「感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
解放することが、ここに予想される総合的実験科学への歩みを進めるために通過すべき第
一関門であろうと思われる。 (昭和八年八月、科学)....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ませんが、御参考までにお耳に入れておきます。申し上げない方がいいのですが、後で万
一関係があったということになりますと、申訳がありませんので……」
と、いやに気....
「科学論」より 著者:戸坂潤
立でもない。両者の関係それ自身が、自然的秩序に於て、宇宙時間の内に、発生した処の
一関係なのだ。 さてこうしてお互いの対立を発生せしめられた存在(物・客体的実在....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
批判主義的宗教哲学によれば、宗教の本質は一つの先天的意識形式たる信仰より内側の、
一関係に外なるまい(弁証法神学)。宗教の「真理内容」と呼ばれるものの在りかは、か....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
的な存在ではなくて、振動から成り立っている波動というような、何か実体から遊離した
一関係であるかのようである。物質は例えば水自身ではなくて、水の表面に生じる
一関係....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
の所有関係を伴って来る。今この所有関係が社会に於て、個人相互が承認すべき公共的な
一関係として、意識化されると、それが法律制度に他ならない。無論法文の外見からすれ....
「辞典」より 著者:戸坂潤
実は之は意識すると否とに拘らず、殆んど凡ゆる思想に於て見出すことの出来る根本的な
一関係であると云っても好い。 弁証法は一切の存在と一切の思惟とに関する根本的な....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、秋草の襖へ手をかけたのです。そうしてするすると二三寸、最初、お銀様の座敷の第
一関を開いた時の要領で、二三寸あけて見ると、意外にも中は真暗でした。
はて、人....
「レンズとフィルム」より 著者:中井正一
ごとき戦慄が待っている。なぐりつけるごとき一抹の時の悪寒の底に、個人をその溶接の
一関連体とする巨大なる溶鉱炉が、姿をおこす。 それが資本主義的な外貌をもつとは....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
されるが、反坐法という複雑な手続きがあって、どんなに急いでも廿日はかかる。まず第
一関で仮照(仮りの通行券)をもらうのだが、それには区長と五人の村民を保証にたてな....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
歌が煙突から出るもののようにしか響かなかった。いつでも私の触覚は音楽をきく時の第
一関門となるのである。 香とは微分子なのだそうである。肥くさいのは肥の微分子が....
「西航日録」より 著者:井上円了
の思いをなす。ただ清流に乏しきを遺憾とするのみ。ときにまた一作あり。 船泊南溟第
一関、連檣林立幾湾湾、晩雷送雨天如洗、涼月高懸赤道山。 (船は南の果てにある枢要....