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一鼓
「一鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「相馬の仇討」より 著者:直木三十五
勝利を八幡に祈って勢揃を為《な》し、どんと打込む大太鼓、エイエイエイと武者押しは
一鼓六足の足並なり、真先立って翻《ひるがえ》る旗は刀八《とうはち》毘沙門の御旗な....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ガラにもなく大いにテレ込んでしまったが、それでもこの同勢が陣貝を高く吹き鳴らし、
一鼓六足といったような武者押しをはじめると、またすっかりいい気になって、 「ソレ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
。伝えるところによればこれは陽列天の作で、漢王即位の時伶人この曲を奏《こと》し、
一鼓を打って天下の和平を慶ぐという目出度い曲なのだ。時はあたかも一月元日、理屈は....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
威勢のもんだな」 「まったく……軍談よみの『戦記』を聞くと、武者押しというのは、
一鼓三足《いっこさんそく》といって、歩度《ほど》の間尺《ましゃく》がきまっている....
「三国志」より 著者:吉川英治
戦をなしていると聞えまする。思うに、呉の無事なる兵をもって、荊州の留守を突かば、
一鼓して、彼の地盤はくつがえりましょう」 「予もそう考えていたところだ。諸卿よろ....
「三国志」より 著者:吉川英治
び、諸大将を招して祝勝の宴を張った。 この席上、法正は進み出て、 「昔、曹操が
一鼓の進撃に張魯を破り、漢中を平定した折に、その勢いにのり、蜀を攻めることをせず....
「三国志」より 著者:吉川英治
帝崩ず、と聞えて、誰よりも歓んだのは、魏帝|曹丕で、 「この機会に大軍を派せば、
一鼓して成都も陥すことができるのではないか」 と虎視|眈々、群臣に諮ったが、賈....
「それから」より 著者:夏目漱石
どんな風に時を過したか、殆《ほと》んど知らなかった。表に女の声がした時、彼は胸に
一鼓動を感じた。彼は論理に於《おい》て尤も強い代りに、心臓の作用に於て尤も弱い男....