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「丁字形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丁字形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つめられた獣のように顫え戦いていた。クリヴォフ夫人の死体は、階段の前方にほとんど丁字形をなして横たわっていた。それが俯向きに倒れ、両腕を前方に投げ出していて、背....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
車の軋り音とは、次第次第に遠退いて行く。廊下を北の方へ遠退いて行く。廊下の外れは丁字形をなし、二筋の廊下が走っていたが、轆轤車は尼を乗せたまま、東の方へ辻を曲っ....
琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
号は、石段の角を示します。S、S、Eは磁石の南々東です。31は無論三十一尺、逆の丁字形は直角です。W―15は西へ十五尺です。即ち石段の角から南々東へ三十一尺の地....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
た。出た所に廊下があった。その廊下を左手へ進んだ。幾個かの部屋が並んでいた。と、丁字形の廊下となった。網を掛けた雪洞があった。 「大名か旗本の下屋敷だな」 葉....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
その帆であるが変わった型で、三角型のものもあれば、菱形をなしたものもある。一本の丁字形の帆柱に、鳥が羽根でも張ったように、風を孕んで懸かっている。だがその地質は....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
。三条の光芒は、行儀よく上空でぶっちがった。 光芒の中に、白く拭きとったような丁字形が見えた。三つ! 果して敵の重爆撃機の編隊だ。見なれないその異様な恰好! ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
いたが、猪口も数を累ねず、食べるものも、かの神路山の杉箸を割ったばかり。 客は丁字形に二つ並べた、奥の方の縁台に腰をかけて、掌で項を圧えて、俯向いたり、腕を拱....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
る者|安息を得。」とある。 三四 ※杖。――跛者などが腋の下にあてて歩くに用うる丁字形の杖。撞木杖。 三五 三孔滑車。――船で静索や支索を張ったりその他の目的に....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
いの、狭い廊下が左右に延び、同じくらいの狭い廊下が、前方へ向かっても延びていた。丁字形になっている廊下の中央に、彼は佇んでいるのであった。その前方に延びている廊....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
なったぞ! ……こんな大物になろうとは、夢にも俺は思わなかった!」 ――露地が丁字形になっていた。左へ曲がるとトッ走った。と、小広い往来へ出た。 「不可ない不....
剣侠」より 著者:国枝史郎
歩いていた。 さすがの彼も疲労したらしく、時々よろめいたり立ち止まったりした。丁字形の辻へ出た。 左右前後をうかがってから、右の方へ歩いて行った。 と、一....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
平備後守のお屋敷の外壁の近くまでやって来た時に、一つの事件が湧き起こった。そこは丁字形をなしていたが、右手の道から遊び人ふうの男が、これも酒にでも酔っているので....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
残っているのだ。東に伊賀伊勢方面へ、西に河内方面へ、と東西にのびる道が三輪の町で丁字形に岐れて奈良方向へ北上している。今日も古代のように人がそこを歩いているのだ....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
。 外に、撞木娘といって、美くしい町娘の風をしていて、顔が丁度、撞木の形、即ち丁字形であって、丁の横の棒の両端に目がついていて中央に赤い口を持ち鼻はない。撞木....
」より 著者:犬田卯
供の身にはやや骨の折れる仕事にとりかかった。田へ入るや否や、気持の納まらぬ彼は、丁字形の泥掻きで反対にいきなり由次の方へ泥をひっかけた。 「あれ、この野郎」由次....