丁寧[語句情報] »
丁寧
「丁寧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁寧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
さんもやはり紺サアジの背広に新らしい麦藁帽《むぎわらぼう》をかぶっている。保吉は
丁寧にお時儀《じぎ》をした。
「お早うございます。」
「大分《だいぶ》蒸《む》す....
「河童」より 著者:芥川竜之介
れば、東京市外××村のS精神病院を尋ねてみるがよい。年よりも若い第二十三号はまず
丁寧《ていねい》に頭を下げ、蒲団《ふとん》のない椅子《いす》を指さすであろう。そ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
あなせん》を燻《くん》じた後《のち》、今度は床《とこ》に懸けた軸《じく》の前へ、
丁寧に円い頭を下げた。軸は狩野派《かのうは》が描《か》いたらしい、伏羲文王周公孔....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
いて居りまする。」
宗俊は、斉広が飜弄《ほんろう》するとでも思ったのであろう。
丁寧な語の中《うち》に、鋭い口気《こうき》を籠めてこう云った。
斉広はこれを聞....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
鬼の酋長は驚いたように、三尺ほど後《うしろ》へ飛び下《さが》ると、いよいよまた
丁寧《ていねい》にお時儀《じぎ》をした。
五
日本一の桃太郎は犬猿雉の三匹....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
飾《ネクタイ》へ手をやりながら、誤訳は元より些細《ささい》な発音の相違まで、一々
丁寧に直して行く。発音は妙に気取った所があるが、大体正確で、明瞭で、先生自身もこ....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
い寒菊や南天の束の外に何か親しみの持てないものだった。K君はわざわざ外套を脱ぎ、
丁寧にお墓へお時宜《じぎ》をした。しかし僕はどう考えても、今更|恬然《てんぜん》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ま、居眠りをしていた堀部弥兵衛が、眼をさますが早いか、慌ててその眼鏡をはずして、
丁寧に頭を下げた容子《ようす》である。これにはさすがな間喜兵衛も、よくよく可笑《....
「或る女」より 著者:有島武郎
いながら退けて、葉子・木村の頭文字Y・Kと書く前に、S・Kとある字をナイフの先で
丁寧に削ったのだった。S・Kとは木村貞一のイニシャルで、そのトランクは木村の父が....
「或る女」より 著者:有島武郎
……葉子は少し顔色を変えながら封を切って中から卒業証書のような紙を二枚と、書記が
丁寧に書いたらしい書簡一封とを探り出した。
はたしてそれは免職と、退職慰労との....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、ま、ずっとこっちにお上がりなすって」 農場の男は僕の客だというのでできるだけ
丁寧にこういって、囲炉裏のそばの煎餅蒲団を裏返した。 その男はちょっと頭で挨拶....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
らか書斎へはいって来た。のみならずその犬は身震いをすると、忽ち一人の騎士に変り、
丁寧にファウストにお時宜をした。―― なぜファウストは悪魔に出会ったか?――そ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
たにない。それでも小僧さんは、レディ・オヴ・ザ・バアジならございますとか何とか、
丁寧に挨拶していた。大方この段鼻も涼しいので東京へ出て来たのだろう。 丸善に一....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そなたの希望を容れないで、勝手な名前をつけさせて大へんに済まなかった。』と良人は
丁寧に詫びました。その外さまざまの事がありますが、就中良人が非常に驚きましたのは....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
代官様と家来たちはちゃんと室の外までお出迎えして、朝太郎を床の間の前に坐らせて、
丁寧にお辞儀をしました。太郎右衛門は、庄屋から大体の話はきいて来たようなもののこ....