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七重
「七重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
七重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
って失礼に当りはせぬか、心にかかり、いまは、訥吃《とっきつ》、蹌踉《そうろう》、
七重《ななえ》の膝を八重《やえ》に折り曲げての平あやまり、他日、つぐない、内心、....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
云う大阪城の天守閣に上って見た。 天守閣は、外部から見ると五層であるが、内部は
七重か八重になっている。五階までエレヴェーターで行き、後は階段を昇るのであるが、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
附けるもの)等で各々|真行草があります。余は略す。 台坐には、十一坐、九重坐、
七重坐、蓮坐、荷葉坐、多羅葉坐、岩坐、雲坐、須弥坐、獅子吼坐、円坐、雷盤坐等で、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
たるが一両年この方大分に古びもつき、新しく江戸の名所をここに悌だけでも留め得た。
七重八重花羞かしき乙女の風流をも解し得ざった昔の御大将はともあれ、今の都人士にそ....
「極楽」より 著者:菊池寛
瑠璃玻璃の楼閣が、蜿蜒として連って居る。楼閣をめぐっては、珊瑚瑪瑙などの宝樹が、
七重に並んで居る。宝樹の枝から枝へと飛び交うて居る、色々様々な諸鳥は、白|鵠、孔....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
千道百綱を虹のように。飾の鳥には、雉子、山鶏、秋草、もみじを切出したのを、三重、
七重に――たなびかせた、その真中に、丸太|薪を堆く烈々と燻べ、大釜に湯を沸かせ、....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
日本の品物のあるのが僕を驚かせた。漆塗の小箪笥があったり、竹の模様ある置物台。膳
七重。高砂の翁媼図の縫取。書棚。香炉。屏風。大花瓶。太鼓など。目ぼしいものは無く....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
」と止めた結句も不思議によい。 ○ 小竹が葉のさやぐ霜夜に
七重着る衣にませる子ろが膚はも 〔巻二十・四四三一〕 防人 これも昔年の防人歌....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
同盟を意味している。しかるに今の道三と信秀は全然対等ではなかったのである。平手は
七重の膝を八重にも曲げて懇願しなければならない立場だ。しかるに道三が対等の条件に....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
も怖しいが、質屋の倅は花房よりも怖しい奴だと言い言いしたそうです。そのタクラミは
七重にも八重にもいりくんでいて、尋常ではあの小倅に太刀打ちできる者はこの小田原に....
「雪の宿り」より 著者:神西清
か。さしも京洛第一の輪奐の美を謳われました万年山相国の巨刹も悉く焼け落ち、残るは
七重の塔が一基さびしく焼野原に聳え立っているのみでございます。そこここに死骸を収....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
袖を幾つか重ねて送れという謎かと見た。それならば最と安いこと。綾錦の装束なりとも
七重八重かさねて仕立てさするは、十日か半月の間にもなることじゃ。但しはほかに子細....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ん。 (はてな、)と少々照れたでがす。その癖心寂しいほど寂――」 花にはあらず
七重八重、染めかさねても、もみじ衣の、膚に冷き、韓紅。 「――閑としているじゃが....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ながら、彼は自分のサアビスを伯父さんに押しつけるのである、「でありますから、私は
七重の膝を八重に折っても、閣下に信じていただきたいことがございます、それは、閣下....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
宗であります。 青丹よし寧楽の都は咲く花の にほふがごとくいま盛りなり 奈良
七重七堂伽藍八重ざくら 前の和歌は当時を詠んだ古歌であります。後の俳句は徳川時....