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「万全〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万全の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
へのこのこと乗りこめるだろう。あの海外学会への名声がなければ、誰が外国旗のもとに万全の保護をしてくれるだろう。いま私は、その百万に一人ともいう珍しい男をみている....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
に潜水艦が二隻……」 水戸は数えた。 「そのとおり。われわれはこの調査の遂行に万全を期している。用意は周到である。しかし君たちは、あまり大袈裟《おおげさ》だと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
|地方へ引込んで、人の噂も七十五日と云うのを、果敢ないながら、頼みにします方が、万全の策だ、と思いますから、私は、一日旅行してさえ、新橋、上野の停車場に着くと拝....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
である。桶狭間では必死奇兵を弄して義元を倒した信長は、ここでは味方の多勢を頼んで万全の戦術を考えているのである。喰えない大将である。勝頼などが、到底及ばないのも....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ころで、これからどうなさいますか」 「電話では、ちょっとしゃべれないね。とにかく万全の用意をととのえていることだ。死地に落ちてもなげかず、順風に乗ってもゆだんせ....
海底都市」より 著者:海野十三
だ。明日になれば元気を恢復するだろう。そしてもう、学生たちには襲撃されないように万全《ばんぜん》の手配をしてあるから、安心したまえ」 と、博士は僕を見舞って、....
火星探険」より 著者:海野十三
れわれは地球人類の光栄と名誉を保持し、それを汚すことなく、この新しい使命について万全の努力を払おうとする次第であります。ただ心にかかることは、宇宙艇の大破損と、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
思うまい。――内証だが、ここで糸七は実は焼芋を主張した。粮と温石と凍餓共に救う、万全の策だったのである、けれども、いやしくも文学者たるべきものの、紅玉、緑宝玉、....
読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
見る。その広告宣伝の狂態はしばらくおくも、後代にのこすと誇称する全集がその編集に万全の用意をなしたるか。千古の典籍の翻訳企図に敬虔の態度を欠かざりしか。さらに分....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
功させるがいい」 「お前さんもさ」といい返した。門内の女がいい返したのである。「万全の策をとるがいいよ」 「いうまでもないよ」と笑止らしく、「武士を入れるよ、切....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
われました以上は、その老人を捕らえませねば……」 「左様、捕らえて糺明するのが、万全の策には相違ござらぬが、その飛加藤の亜流という老人、どこにいるのやらどこへ現....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
解な力が邪魔をするからだ。それに反してこのおれは、あらゆる神経を働かせ、あらゆる万全の策を取り、全力的に構えている。おれの方が歩が悪い。おれの方が早く疲労る。お....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
の流行を見る。その広告宣伝の狂態は姑く措くも、後代に貽すと誇称する全集が其編集に万全の用意をなしたるか。千古の典籍の翻訳企図に敬虔の態度を欠かざりしか。更に分売....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いて、さて「もはや責めまじ、されど朕が思いはなおいいたらじ。朕が憂いは、ひとえに万全なる軍備の補強にありてひと時も忘れざるなり。同じ切なる願いのなかに、御身の恙....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
た。食物をとらせないこと、眠る場所をあたえないことなどが、書かれてあった。警戒は万全であった。 ところが、透明人間のゆくえは、どうなったのか。その日の朝、遊ん....