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「万力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
「御主、守らせ給え!」 彼はまた十字を切ろうとした。が、彼の手は不思議にも、万力《まんりき》か何かに挟《はさ》まれたように、一寸《いっすん》とは自由に動かな....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
がに懸命の力を絞《しぼ》って、とられた襟を振り離そうとした。が、彼の手はさながら万力《まんりき》にかけたごとく、いくらもがいても離れなかった。 十九 「貴様....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。「おめえなら知っているだろうが、伊勢屋に贔屓の相撲があるかえ」 「ありますよ。万力甚五郎で……」 「万力甚五郎……。二段目だな。たいそう力があるそうだが……」....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
」 夫人が物憂げに答えた。「あれも主人の、趣味でございます」 「尖端の方に妙な万力が吊るしてありますな?」 「ええ、そう云えば、時にはあの尖端に燈火を点けるこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かしいと見えて、 「あのガタンピシンという杵《きね》の音や、ユックリユックリ廻る万力《まんりき》や、前の川をどんどと威勢よく流れる水の音なんぞが、なんぼう好い心....
地球要塞」より 著者:海野十三
、私の腕を掴んだ。 「うむ、痛い! 骨が、折れる……」 X大使の握力は、まるで万力機械《まんりききかい》のように、強かった。幻影ではないX大使であった。私は歯....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
とを感じ出し、持前の喧嘩好きな性分から急に赫となって、私に脅迫を試みているのだ。万力を思わせるような真赤な大鋏。それはどんな強い敵をも威しつけるのに充分な武器で....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ったそれだけか」 「な、なにを。うーん」 じつは、パイ軍曹は、さっきからまるで万力にはさんだようにうごかない機銃について、少々こまっていたところであった。 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はあるまい。 その実物は、今ここで走らせたものの数倍のもので、これが機関という万力《まんりき》によって、このあとへ、人ならば二十四人乗りの車が三四十輌つながる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
入しているようでありました。 この時分、夜はようやく更《ふ》けて行って、水車の万力《まんりき》の音もやんでしまい、空はたいへんに曇って、雨か風かと気遣《きづか....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
すと、今まで物言いのやさしかった、その怖しい、眼のつぶれた奴は、たちまちその手を万力のようにしっかと掴んだ。私はびっくりしてひっこもうと身を※いた。が、盲人は腕....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
が急いでいた。すでに終局に達したものと思っていた。しかも彼のあえぐ胸をしめつける万力《まんりき》は、彼の焼けるような頭にぶつかる種々の面影の騒々しい錯乱は、もっ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は棍棒をくわえ、膝《ひざ》をまげ、身体を傾け、ジャン・ヴァルジャンの両肩を二つの万力ではさむように強い両手でとらえ、その顔をのぞき込み、そして始めてそれと知った....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
違いはあるまいと思ったからである。 庭造りには地所の狭い割に人夫も大勢かかり、万力などという道具もいろいろと備え附けられる。そうこうするうちに、庭師の自慢の大....
南国太平記」より 著者:直木三十五
んじゃあならねえ) 何んだか、身体が冷たくなって行くようであった。疵口だけが、万力で、締めつけられているように痛んだ。 (お天道様の出ないうちに、ここから、逃....