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「万劫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万劫の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いるから、乙を愛されないというのは真の愛ではない。法蔵比丘の水の中、火の中での幾万劫の御苦労はあまねく、衆生の一人、一人への愛のためだったのだ。聖なる恋は他人を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
深く沈んで了うた、と其船の人が余に語り聞かせた。印度洋の彼不可思議な色をして千劫万劫已む時もなくゆらめく謎の様な水面を熟々と見て居れば、引き入れられる様で、吾れ....
斗南先生」より 著者:中島敦
談めいた自嘲の調子が彼の注意を惹いたものであろうか。 悪詩悪筆 自欺欺人 億千万劫 不免蛇身 口の中で、しばらくこれを繰返しながら、三造は自然に不快な寒け....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ころを知らない人だよ。すこし世間に知られた一家で。一度キの字を出したら最後じゃ。万劫末代|血統に障る。早い話が忰や娘の。縁があぶなくなるその上に。近所隣りの目下....
十二支考」より 著者:南方熊楠
と。この悪誓願を発して死んだところ、従前善法浄行の報いで非想非々想天に生まれ、八万劫の長い間、寂静園中に閑静を楽しんだが、業報尽き已《おわ》ってこの地の答波樹林....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
れを心着いた時は――と云って垂々と額に流るる汗を拭って――ただ一瞬間に千万無量、万劫の煩悩を起した。いかに思い、いかに想っても、この窈窕たる淑女は、正しく他に嫁....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
廻であった。 「政平、どうじゃ」 政平は莞とした。 「なるほど」 「それとも、万劫魚でも飼うか」権兵衛の方をちらと見て、「今に大雨が降りゃ良え池ができる」 ....
学生と読書」より 著者:倉田百三
教育の書にふれる機会を失うからである。仏教の開教偈に、 微妙甚深無上の法は、百千万劫にも遇ひ難し。我れ今見聞して受持するを得たり。願はくは如来の真実義を解かん。....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
てよい。だから仏教には昔から合い難き師に合うとか、享け難き人身を享けてとか、百千万劫難遭遇の法を聴くとかいってこのかりそめならぬ縁の契機を重んじるのである。人と....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
御寮さんの心掛けで、さすが大家の御寮さんは違うたもの……これならば蔵元屋の身代は万劫末代、大磐石と中心から感心しておりました」 「いかにもいかにも。尤も千万……....