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「万態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万態の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》が約二十|艘《そう》、それらの間をおもいおもいな趣向にいろどった屋形船が、千姿万態の娘たちをひとりずつすだれの奥にちらつかさせて、銀河きらめく暗夜の下を右に左....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
るように、内は人心の根柢においても一つの統一力の支配を認めねばならぬ。人心は千状万態殆ど定法なきが如くに見ゆるも、これを達観する時は古今に通じ東西に亙《わた》り....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、目をあげて、闇空を焦す炎が、大波のように、渦巻き、崩れ、盛り上り、なびき伏し、万態の変化の妙をつくしつつ、果しもなく、金砂子《きんすなご》を八方に撒き散らすの....
旅愁」より 著者:横光利一
べき、これ以上に人の心身ともに救う平安な言葉というものは、ありますまい。この千差万態の変化を許容されつつ、その中に流れた、純粋現象の絶えざる回帰を本願とせられた....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
うちに、痺れるような眠りのなかで夢を見た。その夢は無限に変化する男女の営みの千態万態で、組合せの奇抜なことといったらお話にならない。あらゆるスタイルとフォルムが....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
、浅深が一様でなく、またほとんど皺のないものもあれば多少のものもある。じつに千様万態ほとんど律すべからずで、今その状態によってこれを分類すれば百くらいに区別する....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
る者あるべからず。まず自分の才力と元金とを顧み、世間の景気を察して事を始め、千状万態の変に応じて、あるいは当たりあるいは外《はず》れ、この仕入れに損を蒙《こうむ....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
は男、あるいは女、あるいは老える、あるいは稚きと、実にデリケートにさまざまの千姿万態を、ごらんに入れた演技だったにちがいない。だがなるほど、この方がほんとうだ!....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
、鉄槌《かなづち》を以て器械に附着したる氷雪を打毀《うちこ》わす等、その他千種|万態《ばんたい》なる困難辛苦を以て造化の試験を受けてやや整頓の緒《ちょ》に就かん....
妾宅」より 著者:永井荷風
煙草を吸いつつ、余念もなくお妾の化粧する様子を眺めた。先生は女が髪を直す時の千姿万態をば、そのあらゆる場合を通じて尽《ことごと》くこれを秩序的に諳《そらん》じな....
」より 著者:中谷宇吉郎
雲の名称について説明しよう。雲にはいうまでもなくいろいろの種類があって、その千種万態の様子は説明が困難な位であることは誰もが毎日目撃する通りである。しかし雲の研....