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万朶
「万朶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万朶の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
ばかり語り合って居ります。あなたさまをも含めてみんなを、いやになりました。花は、
万朶《ばんだ》のさくらの花でも、一輪、一輪、おそろしいくらいの個性を持って居りま....
「めくら草紙」より 著者:太宰治
。私は寝床の枕元に原稿用紙と BBB の鉛筆とを、そなえて寝た。 毎夜、毎夜、
万朶《ばんだ》の花のごとく、ひらひら私の眉間《みけん》のあたりで舞い狂う、あの無....
「竹青」より 著者:太宰治
、岸の平沙は昼のように明るく柳の枝は湖水の靄を含んで重く垂れ、遠くに見える桃畑の
万朶の花は霰に似て、微風が時折、天地の溜息の如く通過し、いかにも静かな春の良夜、....
「惜別」より 著者:太宰治
るので、拍子抜けのする気分にならざるを得ないのである。春になれば、上野公園の桜が
万朶の花をひらいて、確かにくれないの軽雲の如く見えたが、しかし花の下には、きまっ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
大気。粋然鍾神州、エイッ! 秀為富士嶽。巍々聳千秋。注為大瀛水。洋々環八洲。発為
万朶桜。衆芳難与儔。凝為百錬鉄。鋭利可断※。蓋臣皆熊羆。武夫尽好仇。神州誰君臨。....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
しく、愛嬌こぼるるばかりの世話女房なんてのが、もしあったならば、およそこの人生は
万朶《ばんだ》の花咲き匂う。芸の世界においても両者を兼ね備えた、つまり本筋にして....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
大気。粋然鍾神州、エイッ! 秀為富士嶽。巍々聳千秋。注為大瀛水。洋々環八州。発為
万朶桜。衆芳難与儔。凝為百錬鉄。鋭利可断※。蓋臣皆熊罷。武夫尽好仇。神州誰君臨。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
婚、出産、老衰の人生の過程も繰り返される。飛行機も飛べば、潜水艇も潜航している。
万朶の花、菩提樹の落葉、いななく馬あれば、眠る猫あり。いちいち書き尽すに暇があり....
「三国志」より 著者:吉川英治
げこんでしまった。 呂布にはもう敵がなかった。 無敵な彼のすがたは、ちょうど
万朶の雲を蹴ちらす日輪のようだった。 彼の行くところ八州の勇猛も顔色なく、彼が....
「三国志」より 著者:吉川英治
将張飛も最大な敬意と静粛をもって、出迎えの兵を閲し、黄旗青旗|金繍旗日月旗など、
万朶の花の一時にひらくが如く翩翻と山風になびかせた。 玄徳以下、列のあいだを、....
「三国志」より 著者:吉川英治
出して下知していた。 轟音一発。数百の旗が、矢倉、望楼、石垣、楼門の上などに、
万朶の花が一ぺんに開いたように翻った。 弩や征矢が、魏兵の上へいちどに降りそそ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も枯死したかと惜しまれたが、年々歳々、春が来れば、花はこの老木からまえにもまして
万朶にたわわな精を咲かせた。――里人は火に会ったのに不思議なと首をかしげ、これも....