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万歳
「万歳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万歳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
せん。」
こう云う僕等の話の中《うち》に俄《にわ》かに僕等を驚かしたのは「T君
万歳」と云う声だった。僕は片手に窓かけを挙げ、窓越しに往来へ目を落した。狭い往来....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、たまたま日章旗が現れなぞすると、必ず盛な喝采《かっさい》を送った。中には「帝国
万歳」と、頓狂な声を出すものもあった。しかし実戦に臨んで来た牧野は、そう云う連中....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
しょう》の声は、烈しい敵味方の銃火の中に、気味の悪い反響を喚《よ》び起した。
「
万歳! 日本《にっぽん》
万歳! 悪魔降伏。怨敵《おんてき》退散《たいさん》。第×....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
っている。この時、かなり痛切に、君が日本を離れるのだという気がした。皆が、成瀬君
万歳と言う。君は扇を動かして、それに答えた。が、僕は中学時代から一度も、大きな声....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
に死んで行った。死ぬ前には頭も狂ったと見え「あんなに旗を立てた軍艦が来た。みんな
万歳を唱えろ」などと言った。僕は僕の父の葬式がどんなものだったか覚えていない。唯....
「或る女」より 著者:有島武郎
「何しろ忘れずに枕の下を見てください」
この時突然「田川法学|博士《はかせ》
万歳」という大きな声が、桟橋《さんばし》からデッキまでどよみ渡って聞こえて来た。....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぷんするのでそれがきょうの新聞である事がすぐ察せられた。はたして第一面には「聖寿
万歳」と肉太《にくぶと》に書かれた見出しの下に貴顕の肖像が掲げられてあった。葉子....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を見向いて、八の字が崩れ、九の字が分れたかと一同に立騒いで、よう、と声を懸ける、
万歳、と云う、叱、と圧えた者がある。 向うの真砂町の原は、真中あたり、火定の済....
「春昼」より 著者:泉鏡花
気の中へ糸を引くのが、月影に光って見える、蜘蛛が下りた、) と大気※じゃ。 (
万歳々々、今夜お忍か。) (勿論、) と答えて、頭のあたりをざぶざぶと、仰いで....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
呪詛でないのが知れたろう。 美女 (うなだる)お見棄のう、幾久しく。 一同 ――
万歳を申上げます。―― 公子 皆、休息をなさい。(一同退場。) 公子、美女と手を....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に似たのである。 技師は真俯向けに、革鞄の紫の袖に伏した。 乗合は喝采して、
万歳の声が哄と起った。 汽車の進むがままに、私たちは窓から視た。人数に抱上げら....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
どよめきわたります。燕はちょこなんと王子の肩にすわって、今馬車が来たとか今小児が
万歳をやっているとか、美しい着物の坊様が見えたとか、背の高い武士が歩いて来るとか....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、とうにひどくこらしめてやるところなのに。」 そのとき、そとで、町の人たちが、
万歳万歳とさけぶ声がしました。ちようど王女のお通りなのです。なるほど、王女はじつ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーがそれをやって成功したとき、ファラデーは小児のように喜んで、「亜米利加人の実験
万歳」と怒鳴った。それからプリュッカーがドイツから来て、王立協会で真空管内の放電....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
を企てたな。こっちあ、たかだか恩を売って、人情を買う奴だ、贅六店の爺番頭か、三河
万歳の株主だと思うから、むてえ癪に障っても、熱湯は可哀相だと我慢をした。芸妓や娼....