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「万華〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万華の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
た。彼らは皆鮮やかな色彩のパラソルをかざしていたので、強い太陽の光を浴びた街は、万華鏡を覗いたような絢爛《けんらん》な光景を呈していたのであった。 戦争はどこ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
な屈折が氷のなかで戯《たわむ》れて、青に、緑に、橙色《オレンジ》に、黄に、それも万華鏡のような悪どさではなく、どこか、縹渺《ひょうびょう》とした、この世ならぬ和....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
神下の藤屋へもたびたび出かけて、お房になじんでいるのも事実である。深川海辺河岸の万華寺というのが遠縁の親類にあたるので、そこの住職が身許になって入隊したのである....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
な白紗の鰭には更に菫、丹、藤、薄青等の色斑があり、更に墨色古金色等の斑点も交って万華鏡のような絢爛、波瀾を重畳させつつ嬌艶に豪華にまた淑々として上品に内気にあど....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
い出すことができるが、その追憶の幻像を透して、実にいろいろな旧日本の思想や文化の万華鏡がのぞかれるような気がするのである。 英国の物理学者Dとオーストリアの物....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
だ一つだけでも充分な深い思索に値するだけの内容をもった事がらが、数限りもなくただ万華鏡裏の影像のように瞬間的の印象しかとどめない。そのようにしてわれわれの網膜は....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
かない、いろいろのエロチックな幻影や、片影しか認められないさまざまの形態の珍しい万華鏡の戯れやが、不合理な必然性に従って各自の中から生長する」(ボラージュ「映画....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
なって自由自在に空中を飛行しながら生きた美しい人間で作られたそうして千変万化する万華鏡模様を高空から見おろしたり、あるいは黒びろうどに白銀で縫い箔したような生き....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ポイととびだしてきそうな気がした。その脳髄にはいろいろな事象が、まるで急廻転する万華鏡のように現れては消え、消えてはまた変って現れるのであった。その目まぐるしい....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
号しても構わないが)の各種のタイプを、その思想としての資格に於て検査して見よう。万華鏡のように、多彩な眼まぐるしい光景の内に、殆んど思想と称するに足るものがない....
情意の干満」より 著者:豊島与志雄
私には全体の見通しがつかず、独立した個々の一部が、偉大なる天才の手に委ねられて、万華鏡の硝子の破片のように――ダイヤのように――閃めく。言葉を信ずべからず、如何....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いちじるしく市民階級《ブールジョア》の間に流行してきた二つの物があった。すなわち万華鏡《カレードスコープ》と木目模様《もくめもよう》のブリキのランプとである。こ....
言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
「鉄塔」第一号所載|木村房吉氏の「ほとけ」の中に、自分が先年「思想」に書いた言語の統計的研究方法(万華鏡所載)に関する論文のことが引き合いに出ていたので、これを機縁にして思いつい....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
代劇で「彼を繞る五人の女」、阪妻の「大義」、右太衛門の「紫頭巾」、片岡千恵蔵の「万華地獄」などである。そうしてそれらの写真によつて、はじめて大河内、岡田時彦、右....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ダンスをした、ということのほかにわれわれは彼についてはなにも知らない。ところで、万華鏡が突然変わったのである。古い演技や、古い俳優たちはスペイン無敵艦隊の撃滅と....