三十六峰[語句情報] »
三十六峰
「三十六峰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三十六峰の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
繁くなったとき、下京《しもきょう》も上京《かみきょう》もしめやかに濡《ぬ》れて、
三十六峰《さんじゅうろっぽう》の翠《みど》りの底に、音は友禅《ゆうぜん》の紅《べ....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
百々之助とのちの伏見直江(当時霧島直子)のコンビの勤王剣戟映画の全盛期で、「東山
三十六峰春の夜の眠りの中に……」云々と弁士が叫んでさえいれば大喝采の時代だったか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
月だけはさせてくれるものとみえる。――屠蘇は満々と流れている加茂の水、門松は東山
三十六峰。どれ、身を浄めて、初日の出を待とうか」 流れの瀬へ寄って、彼は帯を解....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
叔母を思う。
すぐ彼の足は、上加茂の流れの岸に立っていた。河をへだてて、満目に
三十六峰が黒々と空からせまる。
その山の一つ一つが、皆、武蔵に対して敵意を示し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、いつかチラチラ京の雪だった。 雪は翌朝まで降った。初雪らしく、うッすらと京の
三十六峰を白くして明けた。 兼好は、炉のカユ鍋を覗いて、 「そウれ炊けてきた。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しも、いや春闌けて来た山の色の移りも知らぬかのような者がいた。 ここは、洛東の
三十六峰もずっと南端れの、世間からいえばほとんど世間外な山寺や古別荘ばかりな所な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
師武者らとともに落人の列に入った。――火の粉をもった黒けむりが団々と西から南から
三十六峰の上をたえまなくかすめてゆく恐い夜空の下なのである。 「いくさには敗れま....