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三尺
「三尺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三尺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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彼の手に持った一本の帯。帯は前後左右に振られながら、片はしを二
三尺現している。帯の模様は廓大《かくだい》した雪片《せっぺん》。雪片は次第にまわ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
やっと面会室の中にはいることになった。面会室は室と云うものの、精々《せいぜい》二
三尺四方ぐらいだった。のみならず僕のはいったほかにもペンキ塗りの戸の幾つも並んで....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
と下ばきばかりの若い男もあった。大きなかぎ裂きのある印半纏《しるしばんてん》に、
三尺をぐるぐるまきつけた、若い女もあった。色のさめた赤毛布を腰のまわりにまいた、....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
だわからないといえば、貴様たちも皆殺してしまうぞ。」
鬼の酋長は驚いたように、
三尺ほど後《うしろ》へ飛び下《さが》ると、いよいよまた丁寧《ていねい》にお時儀《....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
いる舞台の方を眺めながら、ぼんやりKの説明を聞いていた。
舞台と云うのは、高さ
三尺ばかり、幅二間ばかりの金箔《きんぱく》を押した歩衝《ついたて》である。Kの説....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
《すはだ》に纏《まと》い、枝つきの竹を差《さ》し物《もの》に代え、右手《めて》に
三尺五寸の太刀《たち》を抜き、左手《ゆんで》に赤紙の扇《おうぎ》を開き、『人の若....
「老年」より 著者:芥川竜之介
たのである。
部屋の中には、電燈が影も落さないばかりに、ぼんやりともっている。
三尺の平床《ひらどこ》には、大徳寺物の軸がさびしくかかって、支那水仙であろう、青....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ってくれという合図《あいず》だろう。
柩は寝棺《ねかん》である。のせてある台は
三尺ばかりしかない。そばに立つと、眼と鼻の間に、中が見下された。中には、細くきざ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
女たちの手の間を縫って、時々一生懸命に痛めた羽根をばたつかせたが、どうしても地上
三尺とは飛び上る事が出来ないようであった。
素戔嗚は高い柏の上から、しばらくこ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
う?」
つうやは前のように道の上を指《ゆびさ》した。なるほど同じくらい太い線が
三尺ばかりの距離を置いたまま、土埃《つちほこり》の道を走っている。保吉は厳粛に考....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》られたのか、突然がたがたと鳴り渡った。と同時に半三郎は何か大声を出すが早いか、
三尺ばかり宙へ飛び上った。常子はその時細引のばらりと切れるのを見たそうである。半....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ったような、瞳の色の濁っている、どこを見ているともつかない眼で、大きさはかれこれ
三尺あまりもありましたろう。始は水の泡のようにふっと出て、それから地の上を少し離....
「或る女」より 著者:有島武郎
るのも、精巧な用箪笥《ようだんす》のはめ込まれた一|間《けん》の壁に続いた器用な
三尺床に、白菊をさした唐津焼《からつや》きの釣《つ》り花活《はない》けがあるのも....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
てた。妻はしゃがんだままで時々|頬《ほお》に来る蚊をたたき殺しながら泣いていた。
三尺ほどの穴を掘り終ると仁右衛門は鍬の手を休めて額の汗を手の甲で押拭《おしぬぐ》....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
りむしろ二十年前と少しも変らないものを発見した。それは両国駅の引込線をとどめた、
三尺に足りない草土手である。僕は実際この草土手に「国亡びて山河あり」という詠嘆を....