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三徳
「三徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
ょらい》、煩悩|業苦《ごうく》の三道は、法身般若外脱《ほっしんはんにゃげだつ》の
三徳、娑婆《しゃば》世界は常寂光土《じょうじゃつこうど》にひとしい。道命は無戒の....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
へり》のない赤ちゃけた畳、びんつけ油のにおい、竹の行李《こうり》の底から恥かしき
三徳《さんとく》出して、一枚、二枚とくしゃくしゃの紙幣、わが目前にならべられて与....
「虚構の春」より 著者:太宰治
てから私は、女にお金を財布《さいふ》ぐるみ渡してしまいましたが、女は、私の豪華な
三徳《さんとく》の中を覗《のぞ》いて、あら、たった一枚? と小声で呟《つぶや》き....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
つ能わざるとこれ二つの不思議なり」と。また秀吉三楽に向って曰く、「御身は智仁勇の
三徳ある、良将なり、されど小身なり、我一徳もなし、しかし天下を取るが得手なり」と....
「二人いるとき」より 著者:宮本百合子
おかれ、仕事テーブル、アイロン台と、順に低い一間の明り窓に沿って並んでいる。赤い
三徳火鉢に炭団《たどん》を埋めたのを足煖炉代りにして、多喜子はもって帰った尚子の....
「衝突心理」より 著者:夢野久作
)は左脚の大腿部を骨折し人事不省に陥っている。又、突っかけられた方の車は、深川の
三徳製材会社用、新着のビック特製二|噸半|積ダブルタイヤで、横浜市外の渋戸材木倉....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
一樹が我に返った時は、もう屋根の中へ屋根がめり込んだ、目の下に、その物干が挫げた
三徳のごとくになって――あの辺も火は疾かった――燃え上っていたそうである。 こ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
を捻って穿いて、ずんぐりむっくりと肥ったのが、日和下駄で突立って、いけずな忰が、
三徳用大根|皮剥、というのを喚く。 五 その鯉口の両肱を突張り、....
「或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
酒飲みにとって、楽しい場所だった。 この家は終夜営業していた。この点では品川の
三徳と双璧だが、
三徳の方は深夜になると戸を閉めるのに反し、小林の方は夜通し表戸を....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
のんのんずいずい乗込んで、日頃鍛えし匙加減、一服盛るに手間、暇取らぬ。和漢蘭法、
三徳具備、高徳無双の拙《せつ》がついていやすから、そういう過ちの無いように、隅か....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
十郎は耳にもいれず、 「叔父上の口癖じゃあねえが、そもそもこの魚釣りというのには
三徳がある。……だいいちに気を養い、第二にせっかちがなおり、第三に薬罐あたまに毛....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ています。何となれば銅や青銅は緑青《ろくしょう》を発生して人身に有害ですし和製の
三徳鍋なぞには多く鉛分《えんぶん》を含んでいます。鉛毒は勿論《もちろん》、緑青毒....
「東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
けれども、両民族とも功利活用の才能に乏しい。独り日本人のみが人類に欠くべからざる
三徳と称すべき、霊妙の作用と美的観念と応用の能力を平等に兼備すると歎賞している。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に価するような人格のある聖僧等をして儀式を司らしめ、人々に永く無私、慈悲、不撓の
三徳を心に持ち伝えるよう、仏陀の名において訓戒を与え、再び人々を現実生活へ送り帰....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なり、吉岡家の剣法を気障なほど称揚しているもので、内容には、九州の天流の名人浅山
三徳という者を試合で殺伏し、それを知って挑戦してきた鹿島村斎という荒法師もまた一....