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三所
「三所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
。いつかおれはあの男が、海へ卒塔婆を流す時に、帰命頂礼《きみょうちょうらい》熊野
三所《くまのさんしょ》の権現《ごんげん》、分けては日吉山王《ひよしさんおう》、王....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
ら、日記の一節を出してよろしくおたのもうす事にした。すると大変感心したといって二
三所一二字添削して返した。見ると直さなくってもけっして差支《さしつかえ》のない所....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
で有ったが叔父は秘密などのある室は否だとて到頭書斎に充《あ》てたのだ、室の内部は
三所に仕切って有って書斎には余り都合が好くないけれど仲々立派な普請である。
余....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、平治して村へ還ると。トダ人蛇咬を療するに、女の髪を捻《ねじ》り合せて、創の近処
三所括り呪言を称う(リヴァルス著『トダ人篇』)。いかなる理由ありてか、紀州でウグ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たしかに、あの一間の中から脱け出したに相違ないと信ぜられるところの一つの遊魂が、
三所権現の方に向うて漂いはじめたのは、それよりずっと以前のことでありました。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
し、胆吹名代の薬草のございますのも、その辺であると伺いました。それから登りますと
三所権現があり、それをまた十町登りますると鞠場《まりば》というのへ出ると承りまし....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
せねばならぬ。 秋になってから始終雨が降り続いた。あの古い家のことだから二所も
三所も雨が漏って、其処ら中にバケツや盥を並べる。家賃はそれでも、十日ぐらい遅れる....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
見すてて恥も外聞もかまわないで家にかえると親の因果でそれなりにもしておけないので
三所も四所も出て長持のはげたのを昔の新らしい時のようにぬりなおして木薬屋にやると....
「普請中」より 著者:森鴎外
室の戸をあけた。はいってみると、二人の客を通すには、ちと大きすぎるサロンである。
三所に小さい卓がおいてあって、どれをも四つ五つずつ椅子が取り巻いている。東の右の....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
籠りあるという 移り変わるがならわしじゃ 命はあれど形はなく 形は本来地水火じゃ
三所に移り元に帰し 命はあれど形はない それはこういう歌であった。 「お爺さん....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ねと揺すぶって、鼠鳴をするのです。それから外へ出て、格子を叩いています。入口には
三所ほどに、高く盛塩がしてありました。縁起を祝うのだそうです。内田病院の前まで行....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ていい。なによりは船上山そのものが天与の地の利であったとおもう。 二人は黙然と
三所権現の杉木立をうしろに腰をおろした。帝の御所は、はるか奥の院のほうである。衛....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
うと、正月十一日の農立ての日の朝、今年|苗代にしようと思う田に行って初鍬をいれ、
三所に餅と神酒・洗米とを供えて、これを早稲・中稲・晩稲の三通りに見立てて置く。そ....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
どうなったか、私はまだ行って見たことがありません。 美濃の谷汲の念仏池は、三十
三所の観音の霊場である為に、はやくから有名でありました。池には小さな橋が架かって....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
前のこともみえている。 右は今までに管見に及んだ限りであるが、このほか三条とか
三所とか書いた、類似の地名も所々にある。三条には条里の方から来た名が多かろうが、....