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「三拍子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三拍子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ね」 「あったか!」 「大あり、大あり。二十五、六のせがれで、飲む、打つ、買うの三拍子そろったならず者があったというからね、あっしゃもうてっきりそいつのしわざだ....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
《ぼうぜん》、口をあけて見ていました。最後に、ステップ、ウインク、投げキッスと、三拍子《さんびょうし》、続けてやられたとき、その濡《ぬ》れたような漆黒《しっこく....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
腕車《くるま》をこうやって曳《ひ》きますが、何が、達者で、きれいで、安いという、三拍子も揃《そろ》ったのが競争をいたしますのに、私のような腕車には、それこそお茶....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
疑獄になろうとしている所へ、被告人支倉が又特別な性格の持主、そこへ能勢氏の宣伝と三拍子揃ったから、世論|囂々、朝野の視聴を集め、支倉事件は天下の一問題となった。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
話で持ち切った。何しろ一年に一度の楽しい祭りのことで、顔だちから仕草から衣裳まで三拍子そろった仙十郎が三番叟の美しかったことや、十二歳で初舞台を踏んだ鶴松が難波....
社会時評」より 著者:戸坂潤
門学校へだったか、(そこの区別は一寸ゴタゴタがあったようだが)、人物・身体・学業三拍子揃った粒よりの「有為な」青年の推薦方を依頼して来たのである。官公立と私立と....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ランドの方へ帰って行った。 「サイラス・ブラウンのようなあんな傲慢で臆病で狡猾な三拍子そろった奴を見たことがない」 ホームズは歩きながらいった。 「じゃ、あの....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
地方には稀な低温だった。私は前夜の飲過ぎと、学校が休みなのと、そのひどい寒さと、三拍子揃った原因から、すっぽり頭から蒲団を被って、九時が過ぎるのも知らずにいた。....
時 処 人」より 著者:岸田国士
の缶詰工場の異臭と怪音を除けば、斎藤緑雨のいわゆる「海よし、山よし、天気よし」の三拍子そろつた恰好の住宅である。「天気よし」という表現は、緑雨らしくて私には面白....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ったし、日もよかったし、気分もすぐれていたし、それにここの畑土は肥えているのだ。三拍子も四拍子も揃っていたからだな。」ゆっくりした口調である。 喜海は「ごきげ....
歴史的探偵小説の興味」より 著者:小酒井不木
心となり、あまつさえ背景がフランス大革命時代のパリーと来ているのであるから、所謂三拍子揃った訳である。ブレークネーは常識の活用と、チャンスの利用とによって、どん....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
がくげき》を演《えん》じていた。まじめくさった様子で、芝居《しばい》で見た通り、三拍子曲《ミニュエット》の節《ふし》にあわせて、テーブルの上《うえ》にかかってい....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
なって、校歌を合唱していた。 道子はふと佇んで、それを見ていた。校歌が済むと、三拍子の拍手が始まった。 「ハクシュ! ハクシュ!」 という、いかにも学生らし....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
声とを頼りに、八丁堀合点長屋を先刻出た藤吉勘次彦兵衛の三人は、風と雨と神鳴りとが三拍子揃って狂う丑満《うしみつ》の夜陰《やみ》を衝いて、いま大富町から本田主膳正....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
。やさしい微風と、葉ずれの音の合唱に和して、噴き上げの水がたえず規則正しい四分の三拍子でさらさらと流れつづけている。 そうして、その、暗い木蔭に、白い砂利道に....