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三枚
「三枚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三枚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
僕一人を部屋の中に残して行った。多少の蒐集癖を持っていた従兄はこの部屋の壁にも二
三枚の油画《あぶらえ》や水彩画《すいさいが》をかかげていた。僕はぼんやりそれらの....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《う》の一白《いっぱく》になります。」
老人は金襴の袋から、穴銭《あなせん》を
三枚取り出した。穴銭は皆一枚ずつ、薄赤い絹に包んであった。
「私の占いは擲銭卜《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
られてしまった。」
「四枚とはまたひどく奮発したものじゃないか。」
「何、どうせ
三枚は栗原で買って貰うんだから。――こら、ピエル。」
今まで俊助の足下《あしも....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
かしみじみと彼女の生まれた田舎《いなか》のことを思い出していた。五十円の債券を二
三枚買って「これでも不動産《ふどうさん》(!)が殖《ふ》えたのだからね」などと得....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
妻は慳貪《けんどん》にこういって、懐《ふところ》から塩煎餅《しおせんべい》を
三枚出して、ぽりぽりと噛みくだいては赤坊の口にあてがった。
「俺《お》らがにも越....
「星座」より 著者:有島武郎
のであるのが明かだった。園はせわしく封を破って、中から細字で書きこまれてある半紙
三枚を取りだした。長い手紙であればあるほどその場合の園には便りが多かった。園は念....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ると、屋の棟に飾ったなどの、法外に大きなのがあった。また凧の大きなのが流行り、十
三枚十五枚などがある。揚げるのは浅草とか、夜鷹の出た大根河岸などでした。秩父屋と....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、二筋振って、きおいで左右へ捌いた形は、空を飛んで翔けるがごとし。不忍池を左に、
三枚橋、山下、入谷を一のしに、土手へ飛んだ。……当時の事の趣も、ほうけた鼓草のよ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
も旅疲の状見えて、鼠地の縮緬に、麻の葉|鹿の子の下着の端、媚かしきまで膝を斜に、
三枚襲で着痩せのした、撫肩の右を落して、前なる桐火桶の縁に、引つけた火箸に手をか....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
そこから内へは一切物売を厳禁していたから、元の雁鍋の辺から、どんどんと称していた
三枚橋まで、物売がずっと店を出していたものだったが、その中で残っているのは菜の花....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
五十枚続きの油画を覗かしたのでした。看板は油絵で椿岳が描いたのでして、確かその内
三枚ばかり、今でも下岡蓮杖さんが持っています。その覗眼鏡の中でナポレオン三世が、....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のをいうので、ごく下の級に入れられていました。このこどもたちが、シリング銀貨二、
三枚で小鳥を買いました。そこで、ひばりの書記は、またコペンハーゲンのゴーテルス通....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
はやく、ヨハンネスは、わずかなものを包にまとめ、のこった財産の五十ターレルと二、
三枚のシリング銀貨とを、しっかり腰につけました。これだけであてもなしに世の中へ出....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
ども君の小説戯曲に敬意と愛とを有することは必しも人後に落ちざるべし。即ち原稿用紙
三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、幸いに首肯するや否や? もし又首....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
た。伊作は太郎右衛門がどうしても受取らないので、その内の二枚を多助にくれて、後の
三枚を元の胴巻へ入れて、腰に巻きつけてしまいました。多助も後二枚だけ余計にもらっ....