三色旗[語句情報] »
三色旗
「三色旗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三色旗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
町の子の群れ、志士やごろつきで賑《にぎわ》いかえる珈琲《コーヒー》店、大道演説、
三色旗、自由帽、サン・キュロット、ギヨティン、そのギヨティンの形になぞらえて造っ....
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
れて一夜を過した失業者が、赤と黒の市場の魚のように起きあがると、高楼にあらわれた
三色旗の天気予報旗をものぐさそうに眺めた。 割引電車の青い労働帽の炎のような太....
「新生」より 著者:島崎藤村
には、古い寺院にしても見たいような産科病院の門前にひるがえる仏蘭西《フランス》の
三色旗、その病院に対《むか》い合った六層ばかりの建築物、街路の角の珈琲店《コーヒ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
うすこぶる快速船だった。銑鉄とワタとをうんとつんでいた。もちろんマストの上には、
三色旗がへんぽんとひるがえっていた。 エバン船長は欧洲大戦生き残りの勇士で、い....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ジュール・ベルヌ「佳人の血涙」、モア「良政府談」、大石高徳訳「蒙里西物語」「共和
三色旗」等々がある。 以上のごとき、数多《あまた》の外国小説の翻訳に依って、我....
「戦場」より 著者:夢野久作
を失った聯合軍はピレネ山脈とアルプス山脈の内側で、悉く殲滅されるであろう。独逸の
三色旗が世界の文化を支配する暁が来るであろう。その時に汝等は一人残らず戦死してお....
「旅愁」より 著者:横光利一
破壊されるばかりだと確信を抱いた必死の反抗が、建物の窓窓にも現れ、一丈ほどもある
三色旗の大旗を横に掴んだ老婆まで、高い窓から下の通りへ向って旗を振り振り応援して....
「恐竜島」より 著者:海野十三
を見た。 「あ、これはラツールおじさんの服だ」 袖のところに、ペンとフランスの
三色旗を組合わせたぬいとりがあったから、それはうたがう余地がなかった。 「ラツー....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
窓の装飾の綾模様を透して向う側の妾町の忍んだような、さゝやかな装飾と青い空の色と
三色旗の鮮やかな色とが二つの窓から強い朝日に押し込まれて来たように、新吉の眼を痛....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
上がった。しのつくばかりの霰弾は、フランスの鷲の勇士のまわりに風にひるがえってる
三色旗に雨注した。全軍は殺到し、無比の殺戮《さつりく》が初まった。皇帝の近衛兵ら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
と見せかけて暗中をのがれたがった。しかるにポンメルシーは、旗檣《きしょう》の綱に
三色旗を翻えさし、毅然《きぜん》としてイギリス二等艦の砲弾の下を通過した。それか....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
医学校の生徒、各国からの亡命客、スペインやイタリーやドイツやポーランドの旗、横の
三色旗、その他ありとあらゆる旗、生木《なまき》の枝を打ち振ってる子供、その時ちょ....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
アンブアリード》の緑青色の円屋根の上に洩れ陽がさしかけ、エッフェル塔のてっぺんで
三色旗がヒラヒラと翻っている。 竜太郎は、巴里をこんなに広く感じたことは、今迄....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
事務所がある。「モードの店」とガラスの切抜文字を貼りつけた飾窓の上で、フランスの
三色旗まがいの派手な日除《ひよけ》が、吹きちぎられそうに動いている。 出がけに....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
もあろうかと、ふと何気《なにげ》なく巴里の方を振り返ると、ナント、エッフェル塔は
三色旗をかかげて、まだほんの間近にそびえ立っているという有様。これにはコン吉も呆....