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三角州
「三角州〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三角州の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れない。いたるところに青みがかった岸の柳も旅するものの目をよろこばすころで、一大
三角州をなした淀川の川口にはもはや春がめぐって来ていた。でも、うっかりロセスなぞ....
「道標」より 著者:宮本百合子
。パリのその交通劇甚の三つまたにあるのは、マデレイヌからふたすじの街通りへ向って
三角州のようにつくられている安全地帯一つきりだった。二つの街ぐちからあふれて来る....
「神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
隆起によって海中に島が現われあるいは暗礁が露出する現象、あるいはまた河口における
三角州の出現などを連想させるものがある。 なかんずく速須佐之男命に関する記事の....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
壁に沿って走り乗合自動車《オムニバス》は非常な雑踏のまっ只中に止る。そこは都会の
三角州である。ここでは妙に身丈の縮小したように見えるロンドン人が山高帽の波を打た....
「生活者としての成長」より 著者:宮本百合子
見まことに見事らしくないが、しかも大きい河が河の中にやがてそこに都市の建てられる
三角州をつくるとき、どの砂粒がその大きい自然の作業に参加するに余り艷の目立たない....
「一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
見ると、牛が二匹泳いで来る。一匹は真直に来るが、もう一匹の方はつかれたと見えて、
三角州のようになって居る彼方にそれてゆく。こんどは人間が流れて来た、三人で皆長髪....
「処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
と、奥は廃園といったような感じのする広場になって、シャリ・エル・ミサラと呼ばれ、
三角州《デルタ》地方では最も古い庭園の一つといわれている。隅に小さい番人の小屋が....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
船で通ったと反対に南へ走り、それから西へ折れて、強烈な陽光の下に威勢よく伸びてる
三角州《デルタ》の植物の濃緑の間を、ベンハという大きな駅へ出て、また南へ曲り、ト....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
一 石坂家は、大利根川と榛名山と浅間火山との間に刻む渓谷に水源を持つ烏川とが合流する上州佐波郡芝根村沼之上の
三角州の上に、先祖代々農を営む大地主である。この
三角州は幕末、小栗上野が官軍の東....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
のだ。二つの松川が、地形図の上で黙示するすばらしい岩壁《フルー》、連続する瀑布、
三角州《デルタ》のような広い磧《かわら》、塗りつぶしたような奥深い原始林などによ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。この駅は東北の方から流れて来るキーチュ川と西北から流れて来るブラマプトラ川との
三角州の間にあり、駅場であって大分に繁昌して居る。
しかしラサ府に着くまでの道....