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「三角洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三角洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
を見物に出かけた。 僕等を乗せたモオタア・ボオトは在留日本人の「中の島」と呼ぶ三角洲《さんかくす》を左にしながら、二時前後の湘江を走って行った。からりと晴れ上....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
私の生家は福岡市の真中を流れて、博多湾に注いでおります那珂川《なかがわ》の口の三角洲の上にありました。 その三角洲は東中洲《ひがしなかす》と申しまして、博多....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
言わんとした意味はよく私にわかっていた。 デルタというのは君も知っている通り「三角洲」という事だ。私達はこの会合の場所である佃島が三角洲であるところから、「デ....
河明り」より 著者:岡本かの子
、その土で埋めて慥えたものである。それより七八十年前は浅草なぞは今の佃島のように三角洲だった。 こういう智識もその若い学者から学ぶところが多かったと、娘は真向....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
城中へ通ずる鉄扉あり。 眼下はるかに塔米児《タミイル》、斡児桓《オルコン》両河の三角洲。川向うの茫洋たる砂漠には、成吉思汗《ジンギスカン》軍の天幕《ユルタ》、椀....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
ている太田川が、この街の入口のところで分岐すると、分岐の数は更に増《ふ》え、街は三角洲の上に拡《ひろが》っている。街はすぐ背後に低い山々をめぐらし、練兵場の四角....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
牛が、釣瓶縄を引くと、絞め殺されるような音を立てる。陽は落ちんとして、マハナディ三角洲はくらい靄のしたにあった。 するとそれから、騾をつないであるアカシヤのし....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
帛を裂くような悲鳴が流れた。 風が出た――いつかドップリと深い宵闇。 大川の三角洲、四貫島、うす寒い川風が、蕭々と芦を鳴らしてやまぬ。 鬢を吹かせて走りだ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
川の本流、餌香川、道明寺川、恩智川などが、いわゆる“川ノ辻”をなしており、また、三角洲だの両岸の芦の彼方にも、散所部落の屋根が望まれ、大きな月一つのほか、すべて....