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「上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
1
浅草《あさくさ》の仁王門《におうもん》の中に吊《つ》った、火のともらない大提灯《おおじょうちん》。提灯は次第に
上へあがり、雑沓《ざっとう》した仲店《なかみせ》を見渡すようになる。ただし大提灯....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の
上海の或町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人ら....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
行き届いている。が、菊池が兄貴らしい心もちを起させるのは、主として彼の人間の出来
上っている結果だろうと思う。ではその人間とはどんなものだと云うと、一口に説明する....
「狂女」より 著者:秋田滋
されそうになったこともある。 春がまた帰って来た。この町を占領していた軍隊は引
上げて行った。隣の女の家は窓も戸もたて切ったままになっていた。そして路次には雑草....
「墓」より 著者:秋田滋
ることを嫌って、何と云っても附けさせなかったクールバタイユは、そこで、やおら立ち
上った。背丈のたかい、鳶色の頭髪をした好男子で、いかにも実直そうな顔をしており、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
よく恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その自殺を何か金銭
上の失敗の結果ではあるまいかと考えてみる。結局たしかなところを突止めることは出来....
「初雪」より 著者:秋田滋
れない。そして頻りに咳をした。彼女はそのたびに、自分の精根を涸らしてしまう、込み
上げて来るその動揺をおさえようとするためなのであろう。透き通るような白い指をその....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
近なり」とて「字を知り語を覚ゆるだけの方便なり。今二三年は新潟にて英学をなしその
上にて東京へ出でよ、学問は所にはよらじ、
上磨きだけを東京にてせよ」と止められ、志....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
でも、王立協会に全部保存されて今日に残っている。 リボーの店には、外国から政治
上の事で脱走して来た人達が泊まることもあった。その頃には、マスケリーという著名な....
「寡婦」より 著者:秋田滋
うね、お父さんがどんなことをしたか」 私がおどおどしていると、少年はやがて起ち
上って、私よりも背丈が低かったので、爪さきで背伸びをするようにして、私の耳もとに....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うな形だった。ひどくいいかげんにまとめあげたようなからだつきなのだ。頭は小さく、
上が平らで、大きな耳と、大きな緑色のガラスのような眼と、鷸の嘴のように長い鼻とが....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
のふちにしょんぼり肩を並べて坐って、黙々とそれを食べていた。 夫婦の悲しい身の
上ばなしを聞かされた旅籠屋の亭主が、ある日、二人にこんなことを云った。 「俺も娘....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
の。それは何ものにも係りを持たない。その足と大地との間には何のつながりも無い。地
上にうごめく生命の一片。しかも、どこから来たのか、とんと見当がつかぬその生命の一....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え
上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって消えた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
出かけて行きました。三人が村を出た時は、まだ河の流れに朝霧がかかって、河原の石の
上には霜が真白に下りていました。 「今日も、はあお天気になるべいてや。」 と伊作....