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「上さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
み》さんが一人、当夜かれこれ十二時頃に共同風呂へはいりに行きました。この煙草屋の上さんは血の道か何かだったものですから、宵のうちにもそこへ来ていたのです。半之丞....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
いた赤提燈が、一ぱいに大きく下っている――その店先へ佇《たたず》んで、荒物屋のお上さんと話しているのは、紛《まぎ》れもないお敏だろうじゃありませんか。二人は思わ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
トンと落ちるかとすると、羽をひらひらと宙へ踊って、小枝の尖へひょいと乗る。 水上さんがこれを聞いて、莞爾して勧めた。 「鞦韆を拵えてお遣んなさい。」 邸の庭....
追憶」より 著者:芥川竜之介
のほかに「てつ」という女中が一人あった。この女中はのちに「源さん」という大工のお上さんになったために「源てつ」という渾名を貰ったものである。 なんでも一月か二....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
で、米ちゃん、大変な臆病なんですから。……久しくつかいません湯殿ですから、内のお上さんが、念のために、――」 「ああそうか、……私はまた、ちょっと出るのかと思っ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
隅こから、扁平たいような顔を出して覗いたんでございますよ。 何でも、そこで、お上さんに聞いて来た、とそう言いなすったようでしたっけ……すたすた二階へお上りでご....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
るで夢のようで、分らなかったよ。」 少年は頻りに頷き、 「僕はまた髯がさ、(水上さん)て呼ぶから、何だと思って二階から覗くと、姉様は突伏して泣いてるし、髯は壇....
露肆」より 著者:泉鏡花
、ぎっしりと積上げて、小さな円髷に結った、顔の四角な、肩の肥った、きかぬ気らしい上さんの、黒天鵝絨の襟巻したのが、同じ色の腕までの手袋を嵌めた手に、細い銀煙管を....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
お座敷を廻らせないんだが、お前の事だ。)もっとも、(霞の五番さん)大島屋さんのお上さんの他には、好んで揉ませ人はござりません。――どこをどう廻りましたか、宵に来....
赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のさめるような赤いモロッコ革のくつをはいていました。そのくつはたしかにくつ屋のお上さんが、カレンにこしらえてくれたものより、はるかにきれいなきれいなものでした。....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んのおせじにききました。 *コペンハーゲン発行の夕刊新聞。一八〇五―四三。 お上さんは、なにを客がいうのだかわかりませんでしたから、だまってその紙を渡しました....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
っている、藁屋根の茶店の前だった。二人の土工はその店へはいると、乳呑児をおぶった上さんを相手に、悠悠と茶などを飲み始めた。良平は独りいらいらしながら、トロッコの....
土田さんの芸術」より 著者:上村松園
る。 〈徴税日〉もその会に出た。これも田舎の風俗で、村役場みたいな所に爺さんやお上さん達が税を納めに来てる絵で、一人の小娘が赤い鼻緒の草履を履いていた。〈春の歌....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
結婚生活で私の茶屋遊びは拍車をかけられた形であった。 北の芸者小勝の親から『井上さんは将来見込みのある人だから、身代金は手形でもかまわない。娘をもらってほしい....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
度々「富士見の渡し」を渡って行った。その親戚は三遊派の「五りん」とかいうもののお上さんだった。僕の家へ何かの拍子に円朝の息子の出入りしたりしたのもこういう親戚の....