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上っ調子
「上っ調子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上っ調子の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
んの一刹那の興味ばかりを生命《いのち》よりも大切がって、あとはどうでもいいという
上っ調子を云うことになって来た。 熱い湯に這入れぬと云って山の手のものを軽蔑し....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
茫然自失するか顧みて他を云う他はないのである。そして抑々唯物論は、こうした頭脳の
上っ調子を克服すべく今日発達して来ているのだ。 四 新聞を議論したものには時々....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
でありそうだと仮定しているのは最も不真面目な迷信だろう。道徳はもう少し真面目に、
上っ調子でなく、考えられなければならない。 本当に問題になるのは、校長が収賄し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことがある。国を亡ぼそうとすれば、兵力を以てするよりは、国民のうちの、いちばん、
上っ調子な、惰弱《だじゃく》な、雷同的な人気商売の部分を利用して、悪い遊戯を流行....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
き飛されたりなんかした後で、そんなに私が憎いんですか、と彼女はよく云ったけれど、
上っ調子のその言葉は、攻撃的なだけで根深くはなかった。それが今は、腹の底から彼に....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
は、何だか活気がなくて物足りない気がしていたんだが、今から考えてみると、こちらが
上っ調子だったんだね。」 「それは、おそらく、君だけじゃないだろう。入塾式の日に....
「日記」より 著者:宮本百合子
心の力の充実をいつも心に持ちたい。失いたくない。 芸術の大きさ、遙けさが見え、
上っ調子や道楽やべたくさは忘れてしまう心持。 今の心持で見ると、去年の七月以来....