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上っ面
「上っ面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上っ面の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「予が半生の懺悔」より 著者:二葉亭四迷
に於ては、孔子の実践躬行という思想がなかなか深く頭に入っている。……いわばまあ、
上っ面の浮かれに過ぎないのだけれど、兎に角
上っ面で熱心になっていた。一寸《ちょっ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
この時であった。 どこからか拳骨が しかし……と記者は又考え直した。 こんな
上っ面の見方ばかりでは駄目である。「わかりもしない癖に」と笑われそうな気がする。....
「安重根」より 著者:谷譲次
うに、この計画には絶対に不賛成なのだが――。 安重根 先生、私も嫌になりました。
上っ面な賞讃と激励で玩具にされているような気がして、同志という連中の無責任さに反....
「心の河」より 著者:宮本百合子
せっかく理財科まで出て遊んでいるのももったいないからな」 さよは、「何故そんな
上っ面で安心? どうしてもう一皮、幸雄さんの心持の下まで切り下げないで安心なのだ....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
態度のうちに相手をすっかり馬鹿にし切って鼻毛までも数え得るという冷静さと同時に、
上っ面だけは甘ったれたのんびりした気分から鼻毛でも勘定して見ようかという閑日月が....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
言って笑われて居た。実際痛いのだ。それがここでは、そとに居た時のように人の皮膚の
上っ面がヒリヒリするくらいでなく、肉の中までも、骨髄の中までもえぐられるような痛....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
、第三街へ持ちこまれる脱税ウイスキーは一箱についていくらという歩合をとり、ほんの
上っ面の財産だけでも五百万ドルをくだるまいということだった。川田はサンフランシス....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
お》しい美しい名には違いないが、それがややともするとうつろな人間の、しかもほんの
上っ面に過ぎないような気がしてならない。さればといってどうすればいいか。 自分....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
有している最後の筌蹄は、ただ一語、「諦め」ということに過ぎない。その諦めもほんの
上っ面のもので、衷心に存する不平や疑惑を拭い去る力のあるものではない。しかたがな....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
ています。 ある時、先生は雨中の絵を描いていられました。水刷毛を刷いただけでは
上っ面ばかりで充分に水気が絹に滲まないので、水気をしっくりと滲み込ませるために刷....
「かもめ」より 著者:神西清
ひょっと一度でも味わうことができたとしたら、僕はあえて自分をくるんでいる物質的な
上っ面や、それにくっついている一切を軽蔑して、この地上からスーッと舞いあがったに....
「女の怪異」より 著者:田中貢太郎
入って往った。虫はさまたげるもののない各自の世界に胸を高くはって歌っていた。土の
上っ面を断り執った赭土の肌の見えている処では、草は短くなってそこでは路があっちこ....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
種の後光のようなものがある。あたかも仏様の後にある光背のごときものがそこにある。
上っ面は平凡な句であるにかかわらず、何遍も味わってみるとシットリと底の方から味が....