上側[語句情報] »
上側
「上側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上側の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
眺望用のサロンみたいになっているのでした。雨模様で蒸暑かったせいでしたろう。窓の
上側が全部、開放して在りましたので、内部《なか》の様子が隅から隅まで手に取るよう....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
小初は、跳ね込み台の櫓の上板に立ち上った。腕を額に翳して、空の雲気を見廻した。軽く矩形に擡げた右の
上側はココア色に日焦けしている。腕の裏側から脇の下へかけては、さかなの背と腹との....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を地上に拡げて見た。布片は二重になっていて、下敷になっているのは帯の一部らしく、
上側のは着物の一部らしかった。帯と思われるものは黒ぽい色で、割に幅の広いものゝ一....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
流動したようである、それが例の焼岳の灰だと解ったが、咽喉が乾いて堪まらないので、
上側を二、三寸掻き取って見ると、中からは綿のような白いのが、現われた、それをしゃ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
のである。 これまでの作品では、「にごりえ」にしろ一葉の才筆というものが作品の
上側に浮いていて、とかく文章をよまされる感じであるが、「たけくらべ」では、文才は....
「海陸風と夕なぎ」より 著者:寺田寅彦
膨張すると、地上一定の高さにおいては、従来のその高さ以下にあった空気がその水準の
上側にはみ出して来るから、従ってそこの気圧が高くなる。すなわち同じ高さの海上の気....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ダライに相違ない平鉢の中へ、高句麗の古墳の模型をつくって少女が運んでくる。古墳の
上側にかけてある物をしらべると多量のキャベツやキノコや肉などを原料に支那と日本の....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
等としている。そしてこの鯛は頭が大きくいかめしく尻の方に至って細くこけ、色は頭の
上側から背にかけ、また胸鰭が薄い黒紫色に彩られて、いわゆる赤髭金鱗頭骨に節を作る....