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上枝
「上枝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上枝の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夜」より 著者:夏目漱石
、叱《しっ》と二人を制する。三人の声が一度に途切れる間をククーと鋭どき鳥が、檜の
上枝《うわえだ》を掠《かす》めて裏の禅寺の方へ抜ける。ククー。 「あの声がほとと....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
その瞬間、深い紺色の空の彼方から、小石のようなものが一つ飛んで来て、ひょいと
上枝にとまって、身軽に立ちなおったのを見ると、それは一羽の小鳥であった。鳥は黒繻....
「錦木」より 著者:宮本百合子
く思いながら一寸は賞讚の声を止めなかった。沢山のうたはその出来の順に下枝から段々
上枝へとさげられた、一番高い花の梢に若い男がその女君の色紙をそうともちながらほう....
「古木」より 著者:豊島与志雄
立ったものと、そう思っちゃいますが、まったく、惜しいことをしました。あのままで、
上枝をおろして、苔をつけさせ、蔦でも絡ませるのも、風流なものだろうと、若旦那にも....
「椎の木」より 著者:豊島与志雄
た。 そして、二郎は糸巻をもち、一郎は猫をだいて、あちらへ行きました。 椎の
上枝のへんは、にわかに、そうぞうしくなりました。そこに住んでる多くの椋鳥が、凧の....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
る。しかるにもし根元の節の芽も一斉にみな芽出って枝となったとすれば、その株元から
上枝葉が繁茂してすこぶる欝忽たるものになるに相違ない。 モウソウチクの稈は他と....
「春」より 著者:岡本かの子
を出した。敷石をことこと駒下駄で踏んで椿の傍に来た。三月末頃から咲き出した紅椿の
上枝の花は、少し萎れかかって花弁の縁が褐色に褪せているが、中部の枝には満開の生き....