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上梓
「上梓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上梓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
手紙の代筆をしてやったり口述をしてやったりしていたのではとても煩に堪えぬ。いっそ
上梓《じょうし》しようか。どうしたなら親元からたくさんの金を送ってもらえるか、こ....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
んだ。が、篇中、未解の場所五カ所、難解の場所十七カ所があった。玄白は、ひたすらに
上梓を急いだ。が、良沢は、未解難解の場所を解するまではとて、
上梓を肯《がえ》んじ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
挑戦の吐露には、急流のような、三連音符を想像して頂きたいと思う。 なお、本篇の
上梓について、江戸川・甲賀・水谷の三氏から、推薦文を頂いたことと、松野さんが、貧....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
聞の広告に依って、ふと、『坂下鶴吉の告白』なる一書が、ある弁護士の努力に依って、
上梓されたのを知りました。私は、坂下鶴吉なる人間の痕跡が世の中に公々然と発表され....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
は笑い話ではない。私は不思議でならないのだ。日本では偉い作家が死んで、そのあとで
上梓する全集へ、必ず書簡集なるものが一冊か二冊、添えられてある。書簡のほうが、作....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
出版業をはじめるというので、この機会にこれらの短文を集めて小冊子を、同君の店から
上梓するようにしないかとすすめられた。 元来が、ほとんど同人雑誌のような俳句雑....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、それにまつわる私の空想を自由に書き綴り、「新釈諸国噺」という題で一本にまとめて
上梓しようと計画しているのだが、まず手はじめに、武家義理物語の中の「我が物ゆゑに....
「惜別」より 著者:太宰治
たこら山の方へ歩いて行って、やっとひとりになってほっとした。寛政年間、東西遊記を
上梓して著名な医師、橘南谿の松島紀行に拠れば、「松島にあそぶ人は是非ともに舟行す....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
んないい子だか、鬼っ子だか、誰も知らないが……。 そういう時節に、僕がこの本を
上梓することが出来たのは、たいへん意義のあることだと思う。この本は、良きにも悪し....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
よくのみこんでおく必要があろうかと思う。 あとがき 昨年二月末、「次郎物語」を
上梓してから、すでに一年三ヵ月になる。私は、あの物語の最後に、「次郎のほんとうの....
「僕の読書法」より 著者:織田作之助
出す時、後記というものを書くけれど、それは如何ほど謙遜してみたところで、ともかく
上梓して世に出す以上、多少の己惚れが無くてはかなうまいと思うが、どうであろうか。....
「「黒死館殺人事件」著者之序」より 著者:小栗虫太郎
ッツァルトの死が、私に「黒死館」を齎らしたとも云える訳である。なお終りに、本篇の
上梓に際し、江戸川・甲賀の両氏から序文を賜わったことと、更に、松野氏の装釘に対す....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
お》君を介して小山《おやま》書店の主人はわたくしの旧著『すみだ川』の限定単行本を
上梓《じょうし》したいことを告げられた。今日《こんにち》の出版界はむしろ新刊図書....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た時には、私はきっと二十七歳の夏の私に還っている。ちょうど第二詩集の「思ひ出」を
上梓した頃だ。私は筋肉炎という未だかつて聞きもしなかった病気にとりつかれて蠣殻町....
「蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
「探偵文学」誌上で発表された時、非常な好評を博した蘭郁二郎氏の「夢鬼」がこの度
上梓された。私は早速また繰返して読んだ。いくたび読んでも面白い。 妖魔の如き美....