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「上機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上機の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、――こりゃちと怪しからんな。」 牧野はお蓮の手を突《つっ》つきながら、彼一人上機嫌に笑い崩《くず》れた。 しかし牧野はいつまでも、その景気を保っていられな....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
いるんだ。それから……」 譚は上脣《うわくちびる》を嘗《な》めながら、前よりも上機嫌につけ加えた。 「それから君は斬罪と言うものを見たがっていることを話してい....
将軍」より 著者:芥川竜之介
「だが裸にしてもないとすれば、靴よりほかに隠せないじゃないか?」 将軍はまだ上機嫌だった。 「わしはすぐに靴と睨《にら》んだ。」 「どうもこの辺の住民はいけ....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
す。御主人はわたしが呆《あき》れたように、箸《はし》もつけないのを御覧になると、上機嫌に御笑いなさりながら、こう御勧《おすす》め下さいました。 「どうじゃ、その....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
つ》に、或る時は乱暴に、或る時は機嫌よくした。その日の酒は勿論《もちろん》彼れを上機嫌にした。一緒に飲んでいるものが利害関係のないのも彼れには心置きがなかった。....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
お飲みですか、ビールをお飲みですか」とか、「芸者を呼びましょうか」とか、「大相|上機嫌です、ね」とか、「またいらっしゃい」とか、そういうことを専門に教えてくれろ....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
私たちを囲んで、もうすっかりお友達のような気になって、はしゃぐのであった。白木も上機嫌だ。 「やあやあ。迎えに来てくださるという話のあったのは、貴女がたでしたか....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
上機関大尉の酒壜 わが練習艦隊須磨、明石の二艦は、欧州訪問の旅をおえて、いまや....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
動いていたとさ。 こっちは何にも知らなかろう、風は凪ぐ、天気は可。叔父は一段の上機嫌。……古市を立って二見へ行った。朝の中、朝日館と云うのへ入って、いずれ泊る....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、ついこの頃、石動在の若者、村相撲の関を取る力自慢の強がりが、田植が済んだ祝酒の上機嫌、雨霽りで元気は可、女|小児の手前もあって、これ見よがしに腕を扼って――己....
端午節」より 著者:井上紅梅
手に入った。彼は二杯のむと青白い顔が真赤になった。飯を食ってしまうと彼はすこぶる上機嫌になり、太巻のハートメンに火を点け、卓上から嘗試集を攫み出し、床の上に横た....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
を見ていた。 どの馬を見ても磨墨ほどの逸物はいないので彼はすつかり気をよくして上機嫌になつていた。するとどうしたことか、いよいよおしまいごろになつてまさしく生....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぞ。 ボールタス・ヴァン・タッセル老人は客のあいだを歩きまわっていたが、満足と上機嫌で大きくなった彼の顔は、丸く愉快で、秋の月のようだった。彼の客を歓待する挨....
註文帳」より 著者:泉鏡花
悪いのは、お憚りだけれど今日ばかりは貧乏のせいでない。三年目に一度という二日酔の上機嫌じゃ、ははは。」とさも快げに見えた。 夕空 十一 ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
乎、どちらとも解らない家であった。 秋の一夜偶然尋ねると、珍らしく微醺を帯びた上機嫌であって、どういう話のキッカケからであったか平生の話題とは全で見当違いの写....