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上澄み
「上澄み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上澄みの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
じほどの忙しさで、目と鼻ぐらいの近さに押し迫った死からのがれ出る道を考えた。心の
上澄みは妙におどおどとあわてている割合に、心の底は不思議に気味悪く落ちついていた....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
吹いて啜るような豆腐の汁も気に入った。 一昨日の旅館の朝はどうだろう。……溝の
上澄みのような冷たい汁に、おん羮ほどに蜆が泳いで、生煮えの臭さといったらなかった....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
った。持っていた感情の強さや激しさは皆心の奥深く沈み込んで、良人が受け得る程度の
上澄みが、僅に注ぎ出されるのである。 「それはいけなかったね」 真木は、ゆき子....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
でもない。三面記事にさえ、載せきれない「彼等のいがみ合い」の一つとして、世の中の
上澄みは、相変らず、手綺麗に上品に、僅かの動揺さえも感じずに、すべてが、しっくり....
「「自然」」より 著者:豊島与志雄
天然的な芳醇さに惹きつけられるのである。日本酒の最上は、醗酵菌作用中のどぶろくの
上澄みにある。更に、揶子酒のことを考えてみるがよい。 自然の味を変質するのが料....