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「上物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
ばかりが没義道《もぎどう》に強うございました。竿は二本継《にほんつぎ》の、普通の上物《じょうもの》でしたが、継手《つぎて》の元際《もとぎわ》がミチリと小さな音が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
目の長崎屋源右衛門方に宿を取ることに決まっていました。その時には将軍家に種々の献上物をするのは勿論ですが、係りの諸役人にもそれぞれに土産物をくれます。かのズウフ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
金属製だから、すぐには焼けまいと思う。 壕はまだ半分ふさがっただけだが、これ以上物を入れるのはやめにした。そう欲ばっても――と思ったのと、いつまでもこんなこと....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
「さて殿様」と香具師は、気恥しそうに小鬢を掻いた。「ええご愛妾お半の方様へ、献上物を致し度いので」 「ほほう」と宗春は呆れたように「これは不思議だ、どうしたこ....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
の甚右衛門の家から、代々捕縄の古く成ったのを寄進するという。三河の宝蔵寺産の麻の上物を酢煮にして、三|繰りにしたのを彼の家では用いているのだが、成程これは普通の....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
がどれだけか高徳であるかはよく分る。で数十里隔った所からわざわざ参詣に来て種々な上物をするという次第です。参詣人はいつもその巌窟のある山の麓へ泊って待って居って....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
ろを常に備えて、味覚の確かな客を待ちかまえている寿司屋というのははなはだ少ない。上物寿司屋を発見することは、お客にとってまた苦労のタネである。 寿司の上等もや....
一癖あるどじょう」より 著者:北大路魯山人
らば、家庭で試みてもよいものである。東京では埼玉の越ヶ谷辺の地黒というどじょうが上物で大きく、以前、うなぎの大和田あたりで盛んに蒲焼きにして、「どかば」と称して....
味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
次が美の問題である。 * 料理も美味い物好き、よい物好き、なにかと上物好き、いわばぜいたく者であってこそ、筋の通った料理が生まれるのである。 ....
古事記」より 著者:太安万侶
ミの神にお求めになると、非常に喜んで姉の石長姫《いわながひめ》を副えて、澤山の獻上物を持たせて奉《たてまつ》りました。ところがその姉は大變醜かつたので恐れて返し....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
出して、 「パリーで買ったものだというんですが――、カットも新しいし、これだけの上物は滅多にございません。――いかがでしょう? 二千五百円じゃお安いと思いますが....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
記』に、河原者が年始に来て緒太と箒とを呈したことがみえている。 小法師のこの献上物も、河原者たるエタがこれを勤めるようになってからの例かもしれぬが、しかし本来....
濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
り。「あれは何事言ふぞ」と云へば、声引きつくろひて、「仏の御弟子に候へば、仏の撤上物給べと申すを、此|御坊たちの惜み給ふ」と云ふ。花やかに優びかなり。かゝるもの....
筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
付近に今ひとつ、向日町という上産地がある。洛東の南、伏見稲荷の孟宗藪も近来とみに上物ができて、樫原に劣らぬと自慢している。 しかし、私の経験ではなんと言っても....
小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
干ものの美味いのに当ったよろこびは格別である。ことに中干しとか、生乾しとか言った類いの最上物に当るうれしさは、筆に尽しがたい。東京近くで言うと、熱海の干ものがなかなか評....