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上皮
「上皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
。彼はそれで少し救われたような心持ちになって、草履《ぞうり》の爪《つま》さきを、
上皮だけ播水《まきみず》でうんだ堅い道に突っかけ突っかけ先を急いだ。
子供たち....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
だけに覚えてしまった。青春などは素通りしてしまって、心はこどものまま固って、その
上皮にほんの一重大人の分別がついてしまった。柚木は遊び事には気が乗らなかった。興....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
ったりして、存外に汚ないものが多い。それも、一皮|剥《む》けば純白である。それは
上皮の雪は、気泡を含むことが多いから、白いのであるが、下の方まで穿って見ると、圧....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
しいところがある。 現象の本性に関する充分な知識なしに、ただ電気のテクニックの
上皮だけをひとわたり承知しただけで、すっかりラディオ通になってしまったいわゆるフ....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
皮膚が擦りむけていたね。一体人間の皮膚と言う奴は、勿論生きている人間の、而も薄い
上皮ではなくあの屍人のそれの様に一枚下の厚い奴の事だよ。そう言う皮膚は、あんなに....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
配ってあった。画面の全体が焦茶色の調子でひきしめられていたが、枯れ朽ちた椎の木の
上皮に養いを取って、かりそめの生を心ゆくばかり娯しんでいる菌の気持が、心にくいま....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
部を語るものでしょうが、一体は氏は怖くて賊が追えなかったのです。氏は都会っ子的な
上皮の強がりは大分ありますがなかなか憶病でも気弱でもあります。氏が坐禅の公案が通....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の深い観察がなされたのもここである。
「かわいいこと! 大人のようにジャミパンの
上皮だけを食べてるわ!」
七歳の娘の手で忘れないためにあらかじめ書き止められた....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
ではない。人間が変ったのではない。人間は元来そういうものであり、変ったのは世相の
上皮だけのことだ。 昔、四十七士の助命を排して処刑を断行した理由の一つは、彼等....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
けを残して、ほとんど頭全部に繃帯をかけた。彼は繃帯をかけながら言った。 「ほんの
上皮だけだから大したことはない。しかし、笑ったり泣いたりして、顔をゆがめちゃいか....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
んどは青年の爪の垢を取って調べましたところ、顕微鏡下に現れたものは、人間の皮膚の
上皮層とある特種の白粉の粉でありました。 その白粉は通常の白粉と違って、殺され....
「鮪の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
のざるを通して注ぐ。まぐろの上の方から平均してまんべんなくかけていくと、まぐろの
上皮がいくらか白んでくる。そうして、御飯が透明な煎茶におおいかぶさり、上のまぐろ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
たのだ。プルトン流の恐ろしい怒った火、
アイオルス流の蒸気の爆発力が
平地の古い
上皮を衝き抜いて、すぐに山が
出来なくてはならぬようにしたのだ。
タレス....
「落日の光景」より 著者:外村繁
論、左の乳房は切除されて直るので、妻の左胸部は扁平である。しかし切断された乳房の
上皮の三分の一ほどを剥ぎ取り、それが縫い合わされているので、さして異常感はない。....
「鮑の水貝」より 著者:北大路魯山人
。塩をたくさん用いれば用いるほど固くなる。塩が少ないと中の方までは固くならない。
上皮だけが固くても、中の方がグニャグニャしていては余り美味いものはつくれない。中....