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「上等〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上等の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ないようである。よくよくはやらないホテルらしい。 僕はこのサロンの隅の長椅子に上等のハヴァナを啣《くわ》えている。頭の上に蔓《つる》を垂らしているのは鉢植えの....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
う感じを深くさせた。着ているのは黒の背広であるが、遠方から一見した所でも、決して上等な洋服ではないらしい。――その老紳士が、本間さんと同時に眼をあげて、見るとも....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
はその陽炎《かげろう》の帯の上へちらりと逆まに映って行った。 「これでもきょうは上等の部だな。」 僕等はO君の言葉と一しょに砂の上から立ち上った。するといつか....
将軍」より 著者:芥川竜之介
れも同じ中隊にいた、小学校の教師《きょうし》だったと云う、おとなしい江木《えぎ》上等兵《じょうとうへい》だった。が、そのおとなしい上等兵が、この時だけはどう云う....
或る女」より 著者:有島武郎
ゆううつ》が生み出す反抗的な気分になって、湯をわかさせて入浴し、寝床をしかせ、最上等の三鞭酒《シャンペン》を取りよせて、したたかそれを飲むと前後も知らず眠ってし....
或る女」より 著者:有島武郎
いっていい十一月末の日が熱のない強い光を射《い》つけて、アメリカから買って帰った上等の香水をふりかけた匂《にお》い玉《だま》からかすかながらきわめて上品な芳芬《....
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
「僕の帽子はおとうさんが東京から買って来て下さったのです。ねだんは二円八十|銭《せん》で、かっこうもいいし、らしゃも上等です。おとうさんが大切にしなければいけないと仰有《おっしゃ》いました。僕もそ....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
《せい》は見上げるように大きい子でした。ジムというその子の持っている絵具は舶来の上等のもので、軽い木の箱の中に、十二|種《いろ》の絵具が小さな墨のように四角な形....
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
僕の言葉に反対した。 「これは壁土の落ちたのじゃない。園芸用の腐蝕土だよ。しかも上等な腐蝕土だよ。」 僕等はいつか窓かけを下した硝子窓の前に佇んでいた。窓かけ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て人間よりは寧ろ獣に似て居り、普通全身が毛だらけでございます。天狗の中のごくごく上等のもののみが人間に近い姿をして居りますようで……。 但しこれは姿のある天狗....
凧の話」より 著者:淡島寒月
骨が這入っているのである。そうしてこの巻骨の障子骨は丈夫で良い凧としてある。なお上等の凧は、紙の周囲に糸が這入っているのが例である。 糸は「いわない」またの名....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
をはいたら、ずいぶん温かいだろうな。」と、夜番はひとりごとをいいました。「なんて上等なやわらかい革がつかってあるのだろう。」うわおいぐつはぴったり夜番の足にあい....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
よなきどりのやつ、ずいぶん恩しらずだといいました。 「なあに、こちらには、世界一上等の鳥がいるのだ。」と、みんないいました。 そこで、さいく物のことりが、また....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、たれでも、ひと切れずつ、切ってとっていけるようにしました。噴水からは、とびきり上等のぶどう酒がふきだしていました。パン屋で一シリングの堅パンひとつ買うと、大き....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
点々としていた。ドアが一つちょっと開けはなしてあったので、彼がのぞくと、そこは最上等の部屋で、オランダ式の椅子や、黒いマホガニーのテーブルが鏡のように輝いており....