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上策
「上策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球図」より 著者:太宰治
しなければならぬ、と言って三つの策を建言した。 第一にかれを本国へ返さるる事は
上策也(此事難きに似て易き歟《か》) 第二にかれを囚となしてたすけ置るる事は中....
「人間失格」より 著者:太宰治
、ことごとく、お道化の虚構でした。人にものを頼むのに、まず、その人を笑わせるのが
上策と考えていたのです)を連発する一方、また、堀木に教えられ、せっせと質屋がよい....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
云うんだがね。どうだろう」 私は考えた。そうして何しろ価切《ねぎ》って見るのが
上策だと思いついた。 「二十五銭なら買っても好い」 「それじゃ二十五銭でも構わな....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
命はただ成行《なりゆき》に任せて、自然の手で直接に発展させて貰《もら》うのが一番
上策だと思う。君だの僕だのが何のかのと要《い》らぬ世話を焼くのはかえって当人達の....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
え出したのであろう。 真田が東西両軍に別れたのは、真田家を滅ぼさないためには、
上策であった。相場で云えば売買両方の玉を出して置く両建と云ったようなものである。....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の場に発足させておくと、老神主に伝えさせました。 「鳴りを鎮めて容子を窺うことが
上策じゃ。一揆は国の御法度、ひとりなりとも罪に問わるる者があっては身共が折角の助....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
者の信用を弱めることになると。それゆえ断定しなければならなかった、あるいはさらに
上策としては、否定しなければならなかった。(否定は断定の二倍の力をもっている。そ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それには兵士らを煽動《せんどう》し反抗させ場合によっては指揮官をも銃殺させるのが
上策で、きっとうまくゆくに違いないというようなことを、眼を輝かし落ち着き払って言....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
もむしろ、この迷宮の中にはいり込み、暗黒に身を託し、天運のままに出口を求めた方が
上策である。
で彼は傾斜の上の方へと右に曲がった。
隧道《すいどう》の角《か....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ない。かえッてお久美を苦しめるばかりであろう。すでにこの世にないものと思った方が
上策である。そこでお駒には、 「なるほど、気の毒なお母さん、姉さんだが、バクチ打....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
は、真に有意義なる道を見きわめてはじめてそこに活用し、禍いの種を家におかぬのが最
上策というべきである。しかし人情の常としてかかる英断は容易に行われにくいのであり....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
。生縄のお鉄から教わった縄抜け縄切りの法を、此所に早速応用するのだ。それが一番の
上策だと考えた。 小刀を水中で抜いた。泳ぎながら、片手切りに水草を切払った。忽....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ったが、かれらに諸君の居所を知られた以上、日夜|警戒してかれらの襲撃をふせぐのが
上策であるが、かれらは凶悪無慚な無頼漢七人で、諸君は数こそ多いが、少年である以上....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
する間に、たち上がるならいまだと考えた。一味のある者は、宮廷に一撃を加えることを
上策と考え、詳細な行動段取りをつくった。宮廷を襲っても、女王の玉体に対しては、手....
「かもめ」より 著者:神西清
しら…… ソーリン (口笛を鳴らし、やがてためらいがちに)わたしはね、いちばんの
上策は、もしもお前が……あの子に少しばかり金を持たしてやったらどうかと思うよ。何....