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「上調子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上調子の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
だからね。つまり、神仏を相手に、一商売をするようなものさ。」 青侍は、年相応な上調子《うわちょうし》なもの言いをして、下唇を舐《な》めながら、きょろきょろ、仕....
」より 著者:夏目漱石
て、心がゆったりと落ちつける機会に出逢《であ》うと、不断の生活が急にそわそわした上調子《うわちょうし》に見えて来る。必竟《ひっきょう》自分は東京の中に住みながら....
少女地獄」より 著者:夢野久作
っているのはスパニッシュ・ワン・ステップのマルキナものらしいが、相当浮き浮きした上調子なもので、階段を上って行くうちに給仕の肩に手をかけたくなるような魅惑を感じ....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
い》そうなもんです。人もほんとうに哀《あわ》れなものです。私は全論士にも少し深く上調子でなしに世界をごらんになることを望みます。」 拍手が強く起りました。拍手....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
ツリポツリと両親の言伝《ことづて》を述べると、奥様は聴いているのか、いないのか、上調子《うわちょうし》ではあはあと受けながら、厭に赤ちゃけた出がらしの番茶を一杯....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ったからだ。だが検閲かそうでなければ、職業組合か、という文化統制の一つの秘密は、上調子の万才達には気がつかなかったのである。他の文芸的、芸術的、万才家達にも気が....
縁結び」より 著者:泉鏡花
襖を開けて、旅館の女中が、 「旦那、」 と上調子の尻上りに云って、坐りもやらず莞爾と笑いかける。 「用かい。」 とこの八....
北国の人」より 著者:水野葉舟
の燈火はまだまだ、淋しいなどという心持ちは少しもない。 近所の寄席では、楽隊が上調子な譜《ふ》をやっている。……私達はそこの角までくると、なんと思ったか、荻原....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、ガラハギは、鍍金ガラハギ、やっぱり鍍金、ガラハギは、ガラハギ。」 と尻ッ刎の上調子で言って、ほほと笑った。鉄漿を含んだ唇赤く、細面で鼻筋通った、引緊った顔立....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
こう戒めた父が、役目とはいえ祇園町へ頻りに行くのであるから、とかく家庭が総て上調子であった。家来のうち一人は藩地に居る間に聊か義太夫の稽古をしていた。京都抱....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
悲劇的にという気ではない。しかし緊張と、苦悩と、克服とのないような恋は所詮浅い、上調子なものである。今日の娘の恋は日に日に軽くなりつつある。さかしく、スマートに....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
呼ぶものほど見事なものはないように考えることがあるのだった。だがこの考えは至って上調子なあやふやな代物で、やっぱり私の精一杯の気持といえば、せいぜい頸をくくりた....
日蔭の街」より 著者:松本泰
、久時《しばらく》別れていて、つい其日始めて出会ったらしかった。 若い方は頗る上調子で、 「多分そんな事と思ったよ。女が倫敦にいるとなりゃ、無論大将も近くに潜....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
い音声と、こうした真剣な話に伴うシンミリした気分とに極めて不調和な下司な女の軽い上調子が虫唾が走るほど堪らなく不愉快だった。 十二時近くこの白粉の女が来て、「....