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上身
「上身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》だから、これしきの事で須永に対する反抗心などが永く続きようはずがなかった。その
上身分が定まらないので、気の落ちつく背景を有《も》たない彼は、朝から晩まで下宿の....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
せて、黒七子《くろななこ》紋付きの着流し、鍛え抜いた竹刀《しない》のように瘠せた
上身を、ぐっと千浪のほうへ向けた。 「弱りましたな。これは、千浪さまにはお耳に入....
「天馬」より 著者:金史良
殉教者的な悲痛な運命を感じようとした。自分こそ或る意味では朝鮮人の苦悶や悲哀を一
上身に背負って立ったような気がせぬでもなかった。成程朝鮮という現実であればこそ、....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
けた。余人ではない。南部集五郎だ、年の頃は二十七、八、赧《あか》ら顔で大兵肥満、
上身長《うわぜい》があって立派である。眉太く、眼は円《つぶら》、鼻梁長く、口は大....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ないのであるが、之に反してギャングの害悪になると、社会の少なからぬメンバーが事実
上身にしみて直接それを経験しているのである。この他人からワザワザ教えられなくても....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
りと下足札。ああ、面目次第もない。 騎士が悟って、おかしがって、笑う事笑う事、
上身をほとんど旋廻して、鎧の腹筋を捩る処へ、以前のが、銚子を持参。で、入れかわる....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
った。
「何者だ? どこから来おった!」
「あっちから」
ぬけぬけとした返事。
上身をグッとのめらせて、声は優しい。一同があっけにとられていると、今日の仕合に優....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
しょう》だが……」
つぶやいた源三郎、ツと左膳の背に背押しをくれたかと思うと、
上身を前へのめらして、
「ザ、ザ、雑魚《ざこ》一匹ッ!」
つかえながら、横なぎ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
したことだったろうが、またガヴローシュにも便利だった。
その煙の下に隠れ、その
上身体が小さかったので、彼は敵から見つけられずに街路のかなり先まで進んでゆくこと....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
坐って、眼を皿のようにして自分の方を見つめているではないか。 次郎はもうこれ以
上身動きしてはならないと思った。 実は母に覗かれているという意識があったればこ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
路を背後にして、露路口に立っている碩寿翁の姿は、その長い髯に、頑丈な肩に、秀れた
上身長に、老将軍らしい顔に、青白い月光を真っ向に浴びて、茶人とか好奇家とか大名の....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
や?) と新八郎は驚きながら、声の来た方へ眼をやった。お高祖頭巾を冠っている。
上身長があって肥えている。そう云う女が土塀に添って、一人で立っている姿が見えた。....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いるひょろ松の耳に口をあててささやく。 ひょろ松は、蚊とんぼのようにひょろ長い
上身をかがめて一礼すると、きびすをかえして一ツ橋のほうへいっさんに駈け出して行っ....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
に埋め、本貫に告げて家人の来り取るなくはこれを焼けとか、軍防令に、行軍の際兵士以
上身死せば、その屍は当処に焼き埋めよとか、防人道に在って身死せば、便に随い棺を給....
「性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
。男なら前をまくって着物をばたばたさせながら陽物を露出し、女ならば後むきになって
上身を屈め、着物をまくって陰門ができるだけ敵方によく見えるような姿勢をしながら、....