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上野公園
「上野公園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上野公園の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二老人」より 著者:国木田独歩
は叔父《おじ》叔母《おば》さし向かいで、たいがい毎日碁を打つ事、娘ふたりはきょう
上野公園に散歩に出かけた事など聞かされた。 右の次第で徳さんの武もついに手をひ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
は好きませんでした。殊に女の方の洋服姿と、英語は心痛いと申しました。 ある時、
上野公園の商品陳列所に二人で参りました。ヘルンはある品物を指して、日本語で『これ....
「光の中に」より 著者:金史良
」 「うん」彼は消え入りそうな声で云った。煤けた煙突や黒々した建物を越えて遠くの
上野公園あたりに、二つ三つそれが尾をひいて浮んでいる。私はふと彼を温かくいたわっ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
屋橋から尾張町へ抜けそれをいつまでも東南へ進み、日本橋から東北に取り、須田町から
上野公園、とズンズン進んで行ったのであった。さらにそれから紋兵衛の駕籠は根岸の方....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
か明日ぐらいに、また面白い射的競技が見られるというものさ」 ――昭和×年五月、
上野公園高射砲陣地に於て―― 「今夜は、どうやらやってくるような気がしてならん」....
「獏鸚」より 著者:海野十三
けるともなしに密書事件を次のように語りだした。 「昭和十年四月二十四日の朝刊に、
上野公園の動物園前の杜の中で、一人の若い男が刺し殺されていたことが出ていた。被害....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
歩しながら煙と化したかも知れない。 幸いにもあの日は二科の招待日であったから、
上野公園というまず理想的な避難所に初めからいたために、私はただ驚いていさえすれば....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
るべく外来語を用いないことにしている。 一昨年の夏のことであった。夕方ぶらりと
上野公園から根岸の方へ歩いて行ってみると「根岸盆踊」という広告が方々に貼ってあっ....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
手が欲しくてたまらなくなるのだが、そんなとき気違いじみたことを考えるものだ。私は
上野公園で音楽学校の女生徒をいちいち後をつけて、「僕を愛してくれますか」ときこう....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
命ぜられていたと見え、公園裏のコンクリートの大道を、入谷から寛永寺坂にかかって、
上野公園の木立の闇を縫い、動物園の前で止まった。 「どう、ここから池の端へ降りて....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
がすところで、その煙がむくむく動くように見えていたものである。 このパノラマは
上野公園には上野戦争がかいてあったが、これは浅草公園のものほど度々は見ずにしまっ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
うて苦しみを救いつつ、主の教えを説くところまで行かねばおさまらなかったのだ。春の
上野公園は桜が盛りだった。私たちは三人並んで歩いた。君は救世軍の制服を着ていた。....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
話が出るごとに「骨が折れた」という嘆息をもらすのであります。 皆さんは、たぶん
上野公園の高台から、浅草方面一帯をご覧なさったことがございましょう。観音堂すなわ....
「正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
かれている。すなわち軍国の新年である。海陸ともに連戦|連捷、旧冬の十二月九日には
上野公園で東京祝捷会が盛大に挙行され、もう戦争の山も見えたというので、戦時とはい....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
この十銭から私の再出発が始まるのだ!』 忘れもしない、それは四月十二日だった。
上野公園では咲き誇る桜の下で、花見客がうかれる陽春を、私はうすぎたない冬服姿で、....