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上風
「上風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天馬」より 著者:金史良
をそろえてぐわっぐわっと鳴き騒いでいるような耳を聾するばかりの幻聴を聞いた。その
上風がひゅうひゅうと吹き荒んでポプラの枝がへし折れそうに見える。もはや彼の足は躓....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
当の便宜もはかり、利用もしあっている。 もとよりここのおかみさんは、お蘭の身の
上風聞についてずいぶん耳に入れていることはあるが、それはなにも自分がかかわったこ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
あああう――あ! ちい――やらまた たあ――んぐろえ 山※子売りはハルビン街
上風景の一主要人物である。黄塵万丈の風に乗って、泣くようなその売り声が町の角々か....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
踊る地平線 テムズに聴く 谷譲次 窓 私たちの部屋には、四角な枠に仕切られた二枚の淡色街
上風景が、まるで美術館の絵のようにならんで壁にひらいている。くる日も来る日も鉛い....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
説明し代表し、コペンハアゲンそれ自身でさえあり得るのだ。 一たいこんな凡庸な街
上風景の片鱗ほど、力づよく旅人を打つものはあるまい。旅にいると誰でも詩人だからだ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
く見物人の行列のことを修辞化したもので、郷土的な、そして歴史的に有名な、西班牙街
上風物詩の第一頁だ。 午後二時から四時まで、マドリッドを貫くアルカラ街は、闘牛....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
1 あめりか街
上風景。 HOBOなる一個の非職業的職業に従事している尊敬すべき二紳士が、町角....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
で、玻璃窓の平八の乗った、淀屋の持ち船八幡丸も、この航路から行くことにした。海
上風波の難もなく、那古の港まで来た時であったが、一人の武士が乗船した。 本来八....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
剪花屋、ロシヤパン、ドラ焼屋、魚の干物屋、野菜屋、古本屋、久々で見る楽しい路
上風景だ。 十二月×日 へエ! 街はクリスマスでござんすとよ。 救世軍の慈....
「書記官」より 著者:川上眉山
のと、世故の煩を将って塵塚のただ中へ投げ捨てたる人あり。その人は誰なるらん。荻の
上風、桐は枝ばかりになりぬ。明日は誰が身の。....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
かせる。 この料理店自慢の鳥に詰物をした料理を給仕男が持って来たが、こういう卓
上風景には馴れて居るので音を立てぬようにそっと行って仕舞った。 子供が乳房を吸....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
本土は、水天一髪の間に捕捉しがたい淡青色の一団となって消えうせようとするころ、海
上風光の鑑賞にようやく飽き果てた同舟の若干は、物見《ものみ》高くも東洋人の周囲に....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
から見晴しになってるところの、広茫《こうぼう》たる一面の麦畑や、またその麦畑が、
上風《うわかぜ》に吹かれて浪《なみ》のように動いている有様やが、詩の縹渺《ひょう....
「西航日録」より 著者:井上円了
氏の宅にて丘道徹氏および山名、西尾等の諸氏に会す。 二十一日未明、門司解纜。海
上風波あり。西航五百里、シャンハイ河口なる呉淞に達せしは二十二日夜半なり。翌朝八....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
前十一時出港。開南丸が旭旗を晴風に翻して湾内にあるを見る。二百トンの小艇なり。海
上風なく波平らかにして、春海のごとし。ほかの汽船と並行して南走す。 五月七日(....