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下され物
「下され物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下され物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
を頂いて帰るのが例であった。殊にきょうは初春の御年始に伺ったのであるから、何かの
下され物はあるだろうと十吉は内々予期してはいたものの、いつもと違ってその分量の多....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を欠いているという懸念《けねん》もあった。使者もそれを察していた。清治は殿よりの
下され物だといって、美しい染め絹の大《おお》振袖ひとかさねを行綱の前に置いた。 ....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
分かった。 慶びが重なったので、家中がひとしお春めいた。例年よりは見事な年暮の
下され物が、奉公人を欣ばした。五日の晩になって、年頭の客も絶えたので、奉公人一統....
「蠅男」より 著者:海野十三
た。そんなことよりも、早く蠅男の所在を探したいのだった。だが親分さまからの折角の
下され物である。行かねば、後の祟りの恐ろしさも考えねばならない。やむなく帆村は、....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
るそうだ。それを機会に仲宜くするよう」 「まあまあ左様でございますか。この妾への
下され物、さあ何んでございましょう」お半の方は柔かく笑った。 「はいはいこれでご....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
の山木ごときもこの賜物を頂戴して痛み入りしこともたびたびなりけるが、何これしきの
下され物、もうけさして賜わると思えば、なあに廉い所得税だ、としばしば伺候しては戴....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
したけれど、恥かしいやら恐れ多いやらの感じで、胸がいっぱいです。 「先日は結構な
下され物を、まことに有難う存じました」 やっとの思いで、お君はこれだけのお礼を....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
もんぜき》方、その他使者楽人、三職人御礼。溜詰御譜代衆、お役人出仕。御対顔済み、
下され物あり。御饗応前、お能見物の儀、御三家、両|番頭《ばんがしら》の内。御返答....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
観妙真人である。天師が至ると、潮はたちまち退いたので、理宗帝は大いに喜び、多大の
下され物があった。真人が法を修したのは四月十三日であった。 然るに、元の大徳二....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なんぞとお嬢様」 「いいえ、そうではありません、あの殿様からお前に、あんな結構な
下され物があったのは、あれは殿様がお前を好いているからなのよ、わたしはそう思って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いのです。 「こちらから御挨拶に出ねばなりませぬところを、斯様《かよう》な結構な
下され物、なんとお礼を申し上げましてよろしいやら……ともかく、有難く頂戴いたしま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か御無事で洋行をしておいであそばすように、蔭ながら祈るばかりでございまする、この
下され物もその心で有難く頂戴致しまする」 今まで手にも触れなかった袋入りの物と....
「源氏物語」より 著者:紫式部
内大臣家へ人々はまず集まったのであった。宮中からも東宮からも今日の勅使には特別な
下され物があった。六条院からも贈り物があって、勅使の頭中将の背景の大きさが思われ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
である。母も驚いたが、自分も驚いた。帰る時に御門の外まで送ってゆくと、母は案外の
下され物に何だが不安を懐いているらしく、繰返してそれをほんとうに頂戴してもいいの....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、幾ら宝が悖って入っても、
お前達は本の杢阿弥だな。
阿房(進み出づ。)
下され物があるのなら、わたくしにも下さいまし。
帝
また生き戻った所で、....