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下っ端
「下っ端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下っ端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
一、今のような市会議員を選挙した市民がわるい。第二には、市長の権利が薄くて、市の
下っ端の役人と市会議員とが、勝手に話し合って仕事をするような事がある。これをすべ....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
「旅人まて」 と人相の悪いのが三四人出てきた。人相の悪い盗賊なんてものは大抵
下っ端である。頭分《かしらぶん》になると皆人相がいい。何んとかという殺人鬼など、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
画を洩《も》らしやすてえと、ぜひ、幾人でもいいから差加えていただきてえ、絵かきの
下っ端で結構、刺身のツマとして、ぜひ差加えていただきてえと、先方から売り込んで来....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
しあげます。ただしかし、面をかぶっていますが、それは先刻もお許しを願ったとおり、
下っ端ではないのですから、これだけあどうも――。』 『なに! ベクマンやブウルダ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
そこに、深紅の農民服を着た人足たち――と言っても、これはみんな名ある闘牛士の
下っ端弟子で、若いのばかりか、なかには白髪頭のお爺さんもいる。野郎、これで一杯呑....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ついて、遮二無二、これを茶店の外へ引きずり出そうとしているところです。 これは
下っ端の争いではなく、いずれも幕の錚々《そうそう》たる関取連が、腕力沙汰を突発せ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ねばならない。濃すぎても、うすすぎても、日本一の毛織物の人達は堂々と文句をいう。
下っ端の若僧でも、こちらの重役は平身低頭している。寒い受付にすわっていて、彼等が....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
ある。先ず第一に、或る漠然とした息苦しさを覚える。何もかもつまらなくなる。会社の
下っ端に雇われて、毎日午前九時から、午後四時まで、時には六時過ぎまで、無意味な数....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
った。経理面は岩田一人の手に握られていた。 最近になって、おかしな片言隻語が、
下っ端の野呂十内の耳にもはいってきた。会社は社員そっくり抱えたまま身売りをする、....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
まあ普通なら、頸筋に接吻するなり、耳にきつく噛みつくなり、そうするところを、耳の
下っ端をそっと舐めるなどとは、如何にも中野のやりそうなことだ。而もその耳朶たるや....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
い》来やがれ、この乞食侍」
庄吉が怒鳴った。小藤次が
「昨日までは、俺んとこの
下っ端だったが、不都合をしゃあがって、お払箱になった代物だ。一つ、しょっ引いて行....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
子とはちぐはぐな服装をしている連れの女を私に紹介した。伯林ウインター・ガルテンの
下っ端の女優で半日はお裁縫に行き、夜は舞台で稼いで喰べているというのだ。見たとこ....
「瘤」より 著者:犬田卯
出来るもんか。県連の方から融通受けた金の利子さえ払えなくて、毎期、俺たちのような
下っ端の、文句のいえねえ人間の、僅かばかりの借りをいじめて、執行だ、なんだって…....
「審判」より 著者:カフカフランツ
のたいへんな、厄介きわまる訴訟がたちまち片づくとでも思っているのか? われわれは
下っ端なんで、身分証明書なんか知ったことじゃないし、君を毎日十時間ずつ見張ってそ....
「雨」より 著者:織田作之助
である。 軽部の倫理は「出世」であった。若い身空で下寺町の豊沢広昇という文楽の
下っ端三味線ひきに入門して、浄瑠璃を習っていた。浄瑠璃好きの校長の相弟子という光....