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下っ腹
「下っ腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下っ腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初蛙」より 著者:薄田泣菫
の精霊でなくって何うしてあんな悪ふざけと無遠慮とが出来るものでしょう。大きな口と
下っ腹とを御覧なさい。地から生れた食意地の張った大食漢でなくって、誰があんなもの....
「微笑」より 著者:横光利一
う、街を歩いていると、石に躓いてぶっ倒れたんです。そしたら、横を通っていた電車の
下っ腹から、火の噴いてるのが見えたんですよ。それから、家へ帰って、ラジオを点けよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃ江戸の下谷の長者町の道庵というものだが、この宿に同じ江戸者で、お角さんという、
下っ腹に毛のねえのがいるはずだ」 と、いきなり店先へ怒鳴り込んだものです。 江....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
手合はもとより、世擦れて、人馴れて、この榎の下を物ともせぬ、弁舌の爽な、見るから
下っ腹に毛のない姉御も驚いて目を※った。その容貌、その風采、指環は紛うべくもない....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
涼しい顔なのかも知れない。 半平は戦意にもえると、益々ニヤリニヤリと、そして、
下っ腹にグッと力をいれる。そして戦闘佳境にいるや、ヤセッポチの肩をいからせて、グ....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
無理に上衣の釦《ボタン》をかけてきたのだろう。その釦を飛ばすまいとして一生懸命に
下っ腹を凹ましているふうだった。通例の挨拶の後、舌ったらずな口調で「わたしはこの....
「春雪」より 著者:久生十蘭
ころへ、伊沢|陶園《とうえん》の伊沢忠が寸《すん》のつまったモーニングを着こみ、
下っ腹を突きだしながらやってきた。 池田や小室とおなじく、伊沢もかつては航空機....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
村吉右衛門には、似てもつかぬものだった。 サト子は、こみあげてくるおかしさを、
下っ腹のところで、ぐっとおさえつけた。 吉右衛門は庭先に立ったまま、むずかしい....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
モチのような眼をして……日本の苦しみは自分一人で背負っていると言ったツラだ。……
下っ腹がヒクヒクするんですよ、そんなものを見ると。……ヘドが出らあ。ツバ吐《ひ》....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いことだと思いまして、今朝はもう暗いうちから起きて、水垢離をかぶり、新しい晒布で
下っ腹を巻いて待っておりますんで」 「じゃあ、ゆうべも吩咐けておいたが、舟の支度....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
そうも思ったが、私は何となく不安になってきた。「老師さん!……」と私は渾身の力を
下っ腹に入れて、叫んだ。……老師さん!……老師さん!……老師さん!……さらに反響....