下りる[語句情報] »
下りる
「下りる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下りるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
に覚えています。が、長い廻廊《かいろう》の屋根から、人気《ひとけ》のない庭へ飛び
下りると、たちまち四五人の警護《けいご》の侍に、望みの通り搦《から》められました....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ら舞い下って来たのですから、その驚きと云ったらありません。
髪長彦は犬の背中を
下りると、叮嚀にまたおじぎをして、
「殿様、私《わたくし》はあなた方に御別れ申し....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
まえない内にすれ違ってしまう。もし『幸福』を掴まえる気ならば、一思いに木馬を飛び
下りるが好《よ》い。――」
「まさかほんとうに飛び下りはしまいな?」
からかう....
「影」より 著者:芥川竜之介
息《といき》と一しょに解放された。その拍子に膝《ひざ》の三毛猫は、彼女の膝を飛び
下りると、毛並みの美しい背を高くして、快さそうに欠伸《あくび》をした。
「そんな....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
んだ。それも写真にじゃないか。
(ここまで話すと、電車が品川へ来た。自分は新橋で
下りる体《からだ》である。それを知っている友だちは、語り完《おわ》らない事を虞《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
過ぎだった。彼女は二階の寝間《ねま》を後《うしろ》に、そっと暗い梯子《はしご》を
下りると、手さぐりに鏡台の前へ行った。そうしてその抽斗《ひきだし》から、剃刀《か....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
十八貫と云う丹波《たんば》先生が、「一二、」と大きな声をかけながら、砂の上へ飛び
下りると、チョッキばかりに運動帽をかぶった姿を、自分たちの中に現して、
「どうだ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
駿河台下には、御承知の通りあの四つ辻の近くに、大時計が一つございます。私は電車を
下りる時に、ふとその時計の針が、十二時十五分を指していたのに気がつきました。その....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《かしげた》を突っかけ、半町ほどある海へ泳《およ》ぎに行った。道は庭先をだらだら
下りると、すぐに浜へつづいていた。
「泳げるかな?」
「きょうは少し寒いかも知れ....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
森の中の路を通りかかる。 王子 おいおい、お前たちは何をしているのだ? (馬から
下りる) 第一の盗人 何、こいつが悪いのです。わたしの剣を盗んだ上、マントルさえ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
は嘉し給うた。アーメン」 クララはこの上控えてはいられなかった。椅子からすべり
下りると敷石の上に身を投げ出して、思い存分泣いた。その小さい心臓は無上の歓喜のた....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
でござりますか、早速そう申しましょう。) で、地獄の手曳め、急に衣紋繕いをして
下りる。しばらくして上って来た年紀の少い十六七が、……こりゃどうした、よく言う口....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
りに見えた。 ぴたぴたと板が鳴って、足がぐらぐらとしたので私は飛び退いた。土に
下りると、はや其処に水があった。 橋がだぶりと動いた、と思うと、海月は、むくむ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
岐の、一方は裏山へ上る山岨の落葉の径。一方は崖を下る石ころ坂の急なやつ。で、その
下りる方へ半町ばかりまた足探り試みたのであるが、がけの陰になって、暗さは暗し、路....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
揚句、確か夜の八時頃に滝田君の旧宅を尋ねて行った。滝田君の旧居は西片町から菊坂へ
下りる横町にあった。僕はこの家を尋ねたことは前後にたった一度しかない。が、未だに....