下剤[語句情報] »
下剤
「下剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
便所にかよったのでした。不審に堪えず、薬の箱をよく見ると、それはヘノモチンという
下剤でした。 自分は仰向けに寝て、おなかに湯たんぽを載せながら、テツにこごとを....
「明暗」より 著者:夏目漱石
って、そう腫物《できもの》の膿《うみ》を出すように簡単にゃ行かないんだよ。最初|
下剤《げざい》をかけてまず腸を綺麗《きれい》に掃除しておいて、それからいよいよ切....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、きわめてありふれた普通薬ではないか。検事も怪訝そうに首を傾げて、呟いた。
「
下剤、殺菌剤、睡眠薬だ。犯人は、この三つで何をしようとするんだろう?」
「いや、....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
合甚だ変也 二十五日 とうとう下痢をやりだした、よほど注意はしていたのだが。午後
下剤を飲み、夜に入りて十数回の下痢があった。 二十六日 せっかくの出獄歓迎園遊会....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
に入らない訳じゃな。やれやれ情けない」 老師は、無理やりにお臀に刺された睡眠解
下剤の注射のあとがまだ痛むので、すこし不機嫌であった。 「なに用じゃ、醤どの」 ....
「生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
持ってすぐにU医師を訪れて貰った。すると、便の色は薬のためである、便通は薬に多少
下剤が混じているので少し度数が多くなるかも知れない、然し心配のことはない、という....
「漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
のであれば、漫画の作品はその裏地の一片にはなる。前者が健胃剤ならば後者は少なくも
下剤ぐらいにはならない事はない。 漫画と称すべきものの中でいわゆる時事漫画と称....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
べつづけたとき、十六人とも、大便がとまってしまった。これには、まったくこまった。
下剤がほしいが、そんなことをいったって、薬があるはずがない。しかしどうにもしかた....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
えてゆく自由がきかなかった。『ジョリクール氏の家来』『大将の死』『正義の勝利』『
下剤をかけた病人』、そのほか三、四|種の芝居をやってしまえば、もうおしまいであっ....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
いるものである。 近頃ある薬学者に聞いた話であるが、薬を盛るのに、例えば純粋な
下剤だけを用いると、どうも結果は工合よく行かない、しかし
下剤とは反対の効果を生じ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
入念に毒見して医官に返す。まず檳榔子とタマリンドの果肉の煎汁に鼈甲の粉末をまぜた
下剤を三カデックス(約三合)ほど飲ませ、吐剤として牛※(ヤク)の糞と芸香と銭苔を....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
か?」 「なに、懐炉を当ててるから……今日はそれに、一度も通じがねえから、さっき
下剤を飲んで見たがまだ利かねえ、そのせいか胸がムカムカしてな」 「いけないね、じ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
を一枚むだにしたのさ」といわれたばかりでした。 その美しい娘というのは、虚弱で
下剤の利かぬ体質だったために秘結に苦しんでいましたが、灌腸を嫌うので治療の仕様も....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
思うのだ。そして、わが家の八人の子供を除く以外の、全部の島の子供に、その前日|緩
下剤《ラキサトール》を与えて優しく下痢をさせ、一等から八等までの賞金をわれらの手....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
為《な》したりしも、かかる病魔に襲われんとは、全く思い寄らざることなれば、僅かに
下剤を用いなどして、一向《ひたす》ら恢復を祈りしも、浮腫容易に減退するに至らず、....