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下半
「下半〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下半の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
めている。
43
行火の裾に坐っている黒猫。左に少年の
下半身《かはんしん》も見える。黒猫も始めは変りはない。しかしいつか頭の上に流蘇《....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
老人はていねいに上半身の垢を落してしまうと、止《と》め桶の湯も浴びずに、今度は
下半身を洗いはじめた。が、黒い垢すりの甲斐絹《かいき》が何度となく上をこすっても....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
三《むにむさん》に、妻の体を梁の下から引きずり出そうと致しました。が、やはり妻の
下半身は一寸《いっすん》も動かす事は出来ません。私はまた吹きつけて来る煙を浴びて....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
顔を見上げる。
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岩の上に倒れてしまった「さん・せばすちあん」の
下半身《しもはんしん》。彼の手は体を支えながら、偶然岩の上の十字架を捉える。始め....
「或る女」より 著者:有島武郎
たたいしたリアリストね」
葉子は愛子を眼中にもおかないふうでこういった。去年の
下半期の思想界を震憾《しんかん》したようなこの書物と続編とは倉地の貧しい書架の中....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
まもなくいけなかった。ついで甥の娘が死んだ、友人の某が死に某が死んだ。ついに去年
下半年の間に七度葬式に列した僕はつくづく人生問題は死の問題だと考えた。生活の問題....
「階段」より 著者:海野十三
こに立ち階段を横からすかしてみれば、この階段を上って出口へ行く乗客の男女別はその
下半身から容易に解ったし、観察者たる僕は身体を動かす必要もなく唯鼻の先にあとから....
「海底大陸」より 著者:海野十三
き鉄水母はだんだん水中に沈みはじめた。ジム水兵があっと気がついたときには、かれの
下半身はもう水びたしになっていた。 「うわーっ、た、たすけてくれえ」 怪潜水艇....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
をゆでたような一種独特の赤い色をしているのだった。頭がでかくて、顔がでかくて顔の
下半分はすこしすぼまっている。だから、せんす形だ。大きな二つの目がある、それは人....
「海底都市」より 著者:海野十三
はむしろ得意になって聞きかえした。 五頭《ごとう》パイプ カビ博士の顔の
下半分は黒い毛でうずもれている。その毛むくじゃらの草原のまん中が、ぽっかりあくと....
「転機」より 著者:伊藤野枝
刺すように冷たい水に足の感覚を奪われて、上辷りのする泥の中にふみしめる力もない。
下半身から伝わる寒気に体中の血は凍ってしまうかとばかりに縮み上がって、後にも先に....
「不周山」より 著者:井上紅梅
天と地との間を海辺へと走り、全身の曲線を全く薄薔薇色の光の海のなかに融け消えて、
下半身は真白に彩られ、波は驚き、規則正しく起伏し、波のしぶきは彼女の体に降り濺ぐ....
「おびとき」より 著者:犬田卯
夢を見て、はっと眼がさめると、いつの間にか子供らのために掛蒲団を引っ張り取られて
下半身が本当に凍らんばかりになっていたのであった。隣家へ招ばれて行った女房はまだ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
半輪の月を望むに、わが日本にて望むとはその形を異にし、月球の左半面にあらずして、
下半面に光を生ぜるを見る(当夕は旧暦七月二十日なり)。 十三日、晴れ。北風船を....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
食事のあと片づけに客室にはいっていくと、客はパイプでたばこをくゆらしていた。顔の
下半分にはマフラーをまきつけて、パイプを口にさしこむのに、マフラーをゆるめようと....