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下命
「下命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まするお槍《やり》にどうしたことやら曇りが吹きまして、数ならぬ父に焼き直せとのご
下命のありましたがもと、そのお使者に立たれましたのが中山数馬さまでござりました。....
「山月記」より 著者:中島敦
遥《はる》か高位に進み、彼が昔、鈍物として歯牙《しが》にもかけなかったその連中の
下命を拝さねばならぬことが、往年の儁才《しゅんさい》李徴の自尊心を如何《いか》に....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
川の五十四万石、有馬の二十一万石、立花の十一万石等々の九州の雄藩は、容易に重昌の
下命に従わないであろう。その為に軍陣はかばかしからず、更に新に権威ある者を遣すこ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の反証にはなるものを「月明なし」ではとりつく島もない。 十一月に這入ると、先に
下命した鑑定の結果が続々判明して来た。鑑定書はいずれも微に入り細を穿ち、頗る浩瀚....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
「焼き捨てろと仰有いますか。それはまことに――いや、御立腹はご尤もであります。御
下命によりまして早速お目通りからこの珍画を撤去いたしまするが、しかし御前、お焼き....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
なりとも、いかなる重爆弾なりとも、はたまたいかなる空中魚雷なりとも、その軍艦に雨
下命中するといえども絶対に沈まない軍艦を御建造願いたいのであります。一体そういう....
「空襲警報」より 著者:海野十三
っても冷汗が流れる。 用意は出来た。 香取司令官は、厳然として「空襲警報」を
下命した。 警報の発令と同時に、防空飛行隊にも出動命令がくだった。つづいて高射....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
歌子女史は、別の機会に残して夙《つと》に后の宮の御見出しにあずかり、歌子の名を御
下命になったのは女史の十六歳の時だというが、総角《あげまき》のころから国漢文をよ....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
神聖な墓地の闇を照らそうという事を思し召し立たれて英国の某会社に右の工事一切を御
下命になったと伝えられている。 女皇陛下の電話 昨年の暮ポルトガル....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しろそうにきいていたほかの塾生たちの一人が、ふざけた調子で言った。 「ぼくは、目
下命がけの恋をやっている最中なんですがね。」 みんながどっと笑った。大河は、し....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
仕しておられました三室戸伯爵を経てでございました。私はそれ以来、一日も早くこの御
下命の作を完成しなくてはならぬと、それこそこの二十年間、一日たりとも疎かに放念し....
「画道と女性」より 著者:上村松園
年の九月頃であったろうか。最初の気持では、今の皇太后陛下が皇后宮に居られた頃に御
下命を承った雪月花三幅対の図がすでに小下図を差し上げて御内覧まで得ていながら伸び....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
今夏は、私は誠にすがすがしい心持でおります。と申しますのは、この六月、皇太后陛下御
下命の御用画の三幅双を完成いたしまして、折りから、京都行啓中の陛下に、目出度く上....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
り舞台だったのである。 まず為家薨去の翌建治二年に亀山上皇の院宣を以て撰集の御
下命があった。二年余りかかって弘安元年十二月に奏覧を終えた。『続拾遺和歌集』がそ....
「『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
その天幕の一隅で、スタインはこのカロシチー文字を読み解いて、冒頭の一行が「国王殿
下命令書」であることを知った。それは官命を伝える一種の公文書であった。古代印度語....