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下品
「下品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
をさせたという事だろう。僕は小えんの身になって見れば、上品でも冷淡な若槻よりも、
下品でも猛烈な浪花節語りに、打ち込むのが自然だと考えるんだ。小えんは諸芸を仕込ま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《きんば》を嵌《は》めていたり、巻煙草をすぱすぱやる所は、一向道人らしくもない、
下品な風采《ふうさい》を具えていた。お蓮はこの老人の前に、彼女には去年|行方《ゆ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ように、穂積中佐をふりかえった。
「将軍が中止を命じたのです。」
「なぜ?」
「
下品ですから、――将軍は
下品な事は嫌いなのです。」
そう云う内にもう一度、舞台....
「星座」より 著者:有島武郎
いよ。どうもありがとう」
人見は思わずせきこんでこういったが、何か自分の言葉が
下品に響いたようだった。
戸外では寒いからっ風が勢いこんで吹きすさんでいるらし....
「家霊」より 著者:岡本かの子
か。人を押付けがましいにおいを立て、脂がぎろぎろ光って浮く精力なんというものほど
下品なものはない。くめ子は初夏の椎《しい》の若葉の匂いを嗅いでも頭が痛くなるよう....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
を持ちたがる。 しかし彼らの望みに任せてむやみに物を持たせてはいけない。芝居が
下品になる。 ○俳優は常に手を内懐かポケットの中へ隠したがる。ある俳優のごときは....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
たが、――世間の考えているような、またこれまでの役者みずからが考えているような、
下品な職業ではないことを簡単に説明してやった。かつ、僕がやがて新らしい脚本を書き....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
ついては、何にも聞いたこともなく、また考えて見たこともなかった。お祖母さんが妙に
下品な人だったので、母の家というのも、ろくな家じゃなかったろうくらいにしか考えて....
「断層顔」より 著者:海野十三
ていた。――帆村は目を大きくむいて失笑した。 「惚れているとは……よくまあそんな
下品な言葉を発し、
下品なことを考えるもんだ。今の若い者の無軌道。挨拶の言葉がない....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
こうするというのではなく、隆夫のは、お友達の家のお嬢さんと出来てしまったわけで、
下品《げひん》でも不潔《ふけつ》でもないんですけれど、やはり女遊びにちがいありま....
「怪塔王」より 著者:海野十三
にささやきました。 「あっはっはっ、そのちんぴら小僧は魔術といったな。魔術なんて
下品なものではない。これこそ、わしの得意とする磁力術じゃ」 磁力術? 磁力術と....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
霜焼けの手の中には、三等の赤切符が大事そうにしっかり握られていた。私はこの小娘の
下品な顔だちを好まなかった。それから彼女の服装が不潔なのもやはり不快だった。最後....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
にも家にも品位というものが乏しく、金の力を以て何人にも買い得らるる最も浅薄に最も
下品なる娯楽に満足しつつあるにあるのであろう、 今は種々な問題に対して、口の先筆....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ら、女も、ものが言いよかったろう、もう、莞爾して、 「何をしていらっしゃるの。」
下品な唄を、高調子で繰返す稼ぎのせいか、またうまれつきの声調か、幅があって、そし....
「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
花園を望んで見ると言った構図で、尤も湯上りと言いますと何だか意気に、そうしてやや
下品な様に聞こえますがそうではなく極気品の高いものにして全体羅の中に玉の様な肩先....